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松山英樹のプレーオフ惜敗を見届けた木下稜介「同級生で良かった」

◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 事前(25日)◇芥屋GC(福岡)◇7210yd(パー72)

7月の「全英オープン」で初めてメジャーに挑戦した木下稜介はその後、大西洋を渡って米国で「WGCフェデックスセントジュード招待」に出場した。早い時刻にプレーを終えた最終日の午後。宿舎でシャワーを浴び、ベッドで休んでいたところ、スマートフォンを眺めると突然、思い立ってコースに再び車を走らせた。

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一緒に出場していた松山英樹が「63」をたたき出し、リーダーボードで首位に並んでいた。スタート時の首位との差、9ストロークを1日にして縮めてプレーオフへ。アブラム・アンセル(メキシコ)、サム・バーンズとの三つどもえの争いに2ホール目で敗れはしたものの、その戦いぶりが与えた木下へのインパクトは大きかった。

「(松山は)むちゃくちゃカッコよかった。僕が一番緊張していたと思う。自分も出ていたからこそ、あの風と距離でピンに打っていけるセカンドショットは本当にすごかった。バーディパットも1ホール目も、2ホール目も、完璧だったと思う。とくに1ホール目は入ったと思った。英樹も『完ぺきに打った』と言っていた。あの状況で完ぺきに打てるんだから…」

7月に30歳になり、1992年2月生まれの松山とは同級生。WGCの期間中はコース内外で一緒の時間も過ごした。「ワイワイ、楽しくできた。いろいろ話せる」という気心知れた存在が、世界のトップクラスでプレーしていることを再認識。「同級生で良かった、ラッキーだなあって。松山選手と一緒に戦いたいと思った」。

悲願の国内ツアー初優勝から2勝目、そしてメジャー、WGCと、この2カ月はあまりに刺激的だ。パワーだけでなく、細かい技術の精度にも海外選手との実力差を痛感した。「(欧米での)1カ月、すごい経験をさせていただいた。少しはレベルアップできた。日本では賞金王を目指したい。早く海外に出たい。どうにかして海外に行けるようになりたい」と視線を海に先に向ける。

プレーオフの直後、別れ際に松山から声をかけられたという。「早く、アメリカに」。その言葉もこれからの強いモチベーションだ。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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