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24年前の夏 藤田寛之は日傘をさして怒られた

◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2日目(27日)◇芥屋GC(福岡)◇7210yd(パー72)

2014年大会の優勝者である藤田寛之には、男泣きした当時の記憶ともうひとつ、苦い思い出が芥屋GCにある。1997年、尾崎将司と同組でプレーしていたとき、テレビ解説の先輩プロから放送中「なんだ、あの若手は!」と間接的に怒られた。原因は“日傘”だった。

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毎年8月下旬に行われる大会は、いまでこそ多くの男子プロがラウンド中に日傘をさして酷暑対策をしているが、当時は女子プロほど一般的でなかった。しかもスター選手であるジャンボと競演中だったことも、先輩プロを怒らせた理由だったらしい。

「プロでさしていたのは自分くらいで。そういう時代だったんです。日傘恐怖症になった…というのはウソで、きょうも(キャディバッグに)日傘は入れてますけど。でも、ちょっとトラウマはあります。とくにこの試合は。『怒られたなあ』…って」

当時28歳。ツアー初優勝を挙げたのが、次の出場試合「サントリーオープン」だった。それから24年が経過し、「時代は変わっているでしょう」と言いながらも、藤田はまだこのトップツアーを主戦場にしている。それどころか、2日目を終えて首位とは3打差の7位。片山晋呉谷原秀人とプレーした予選ラウンドは持ち前のパッティングがさえた。

シニア入りへの思いと、レギュラーで戦い続けたい葛藤を抱きながら過ごす50代のプロゴルフ生活。今週優勝すると、1989年に杉原輝雄が樹立した52歳74日の大会最年長記録に並ぶ。「杉原さんが勝てなくなっても観に来る人がいた。プロとしてそういう姿、存在意義もある。そういう杉原さんには憧れてきた」。レジェンドの金字塔はモチベーションのひとつにはなりそうだ。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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