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「カップ1つぶん」の違い 賞金レース1位・木下稜介のフェードのテスト

◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 事前(3日)◇ABC GC(兵庫)◇7217yd(パー72)

過去に出場した2大会の成績は振るわない。2018年は43位、前回の19年は予選落ち。ドローボールヒッターの木下稜介にとっては、「フェーダー向け」と分析するABC GCは長らく“鬼門”だった。賞金レースのトップを走る今年は、精度を高めてきたフェードボールを試す絶好の機会でもある。

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ツアー屈指の高速グリーンで知られる当地ではむしろ、その直前までのショットがキーになるという見立て。ラフの長さにバラツキがあり、運と不運も相まって、入ったポジションによって難度が大きく上下する。「パットのタッチが合えばピンを無理に攻める必要はない。パーオン率が大事」と考えれば、「フェアウェイキープ率を高めたい」と願う。ティショットに重きを置くのは“逆算”の結果だ。

メジャー、WGCに初挑戦した2021年、「ドロー一辺倒では(活躍は)無理」と痛感した。ABC GCでも以前は「右ドッグレッグのホールでも無理やりドローを打って、フェアウェイキープができなくて好成績を出せなかった」。曲がりなりにも今年はフェードの習得にも必死になり、「コースに逆らわずに少しは打てるようになってきた」ところ。「アドレスを1カップ(108㎜)くらいオープンにして、左に(より)振り切るだけ」という打ち方で実戦にも投入できるレベルにしている。

このまま賞金レースのトップでゴールテープを引き裂くことが残り5戦のターゲット。「アメリカを断念して(下部コーンフェリーツアーの予選会挑戦を回避)、賞金王を獲るほうに絞った」。今大会の予選ラウンドは賞金ランク2位のチャン・キム、3位の星野陸也との同組で「意識はどうしてもする」とライバル心をあおられても仕方がない。

「(残り試合で)1勝はしないと賞金王は獲れない。早めに1勝して日本シリーズJTカップを迎えられるように」。終盤戦を見据えた逆算通りのフィニッシュにつなげたい。(兵庫県加東市/桂川洋一)

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