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コロナ禍乗り越え賞金王「勝負どころで決める」チャン・キムの強さ

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(5日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

全30試合のロングシーズンが終了、今季3勝を挙げたチャン・キムが賞金王のタイトルを手にした。最終日、6組目でプレーを終えたキムは、優勝されればランキング逆転もあった金谷拓実星野陸也らがホールアウトするまで「緊張」しながらスコアを見守っていた。

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今シーズンはコロナ禍で海外渡航もままならず、自主隔離期間でのホテル生活も「精神的なコントロールとか体の準備が難しかった」と苦しんだ。2021年の初戦「東建ホームメイトカップ」は隔離明けで出場して予選落ち。海外メジャー3試合(全米プロ、全米オープン、全英オープン)への出場を選択したときは「賞金王は難しいかなと思った」という。

それでも全米プロ、全英オープンでともに予選を通過して1360万円ほど稼ぎ、9月「バンテリン東海クラシック」を制して賞金ランキング1位に浮上。そこで「望みは出た」と終盤戦へ向けて神経を研ぎ澄ました。

最終戦ではディフェンディングチャンピオンながら「下のトップ選手たちが今週優勝したら抜かれるというプレッシャーもあった」と通算2オーバー22位。「スコアにも表れてはいるけど、メンタル的に大変な1週間だったので終わったことにホッとしているし、やっと休めることがうれしい」と逃げ切りで初のタイトルを獲得し、頬を緩めた。

今季キャディの専属契約を結び、キムを隣で支えてきた出口慎一郎氏は11月「ダンロップフェニックス」の勝利が「大きかった」と振り返る。同大会開幕前にコースに出たのはプロアマ戦のみで、それ以外はひたすらショットの調整に時間を充てて「狙い」を賞金王に定めていたという。

出口氏はキムについて「すごく緊張していた」と感じとっていたという。それでも「勝負どころでチャンは決める。覚悟を持った時は強いんですよ」。来季もともに戦う約束をかわしている。(東京都稲城市/石井操)

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