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日本オープンでアマ最少「64」 蝉川泰果が語る覚醒のキッカケ

◇国内男子◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(20日)◇三甲GCジャパンコース(兵庫)◇7178yd(パー70)

最後の最後まで、アマチュアの蝉川泰果(東北福祉大)は自信に満ちあふれていた。最終9番は左サイドから池越えの右手前ピンを狙うセカンド。左の木が気になり、持ち球ではないドロー気味のボールを求められるシチュエーションでもあった。

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「持ち球はフェードだけど、ドローも全然打てる。ライも良かった。ライが良ければ、どういう球でも打てる自信がある」。左奥4mに絡め、スライスしてからフックする複雑なラインを読み切ってバーディで締めくくった。7バーディ、1ボギーの「64」は、2017年3日目の金谷拓実、18年2日目の桂川有人がマークした「65」を抜いて、アマチュアによる「日本オープン」の最少ストロークとなった(記録が残る1985年以降)。

長いラフと硬いグリーンが特徴のハードセッティングにも臆する気配はない。「なるべくネガティブな要素を排除して、絶対に真っすぐ行くようなマインドセットをしています」。朝の練習場はもちろん、ひたすら成功のイメージを自分自身に植え付ける作業を重ねてティイングエリアに立つ。そして、恐怖心が芽生える前に振り切る。この日、パー3を除いてフェアウェイを外したのは1ホールだけだった。

「パナソニックで勝って自信が付いたのかと言われるけど…」。プロの舞台でも迷いなく戦えるきっかけになったのは、9月「パナソニックオープン」の優勝ではないという。「僕の中ではABEMAがきっかけ。(自分の力を出し切れれば)“全部の試合で勝てる”というイメージが湧くようになった」。レギュラーツアーで勝つ3カ月ほど前の下部ツアーでの勝利こそ覚醒の契機だった。

日本オープンのアマチュア優勝は1927年の第1回大会を制した赤星六郎しかいない。「予選通過をしたいというゴルフと、勝ちにいくゴルフは全く違う。心境的に“冗談抜きで”勝ちにいく気持ちで(常に)試合に臨んでいます」。伝統の大舞台でも、強気の姿勢はブレない。(兵庫県三木市/亀山泰宏)

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