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長期離脱からツアー復帰の重永亜斗夢 「ゴルフを楽しむことが療養に」

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 最終日(2日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7062yd(パー71)

長期療養中だったツアー1勝の重永亜斗夢が、1年ぶりの復帰戦となった開幕戦で4日間を完走した。通算5アンダーの53位タイで久々のツアーを戦い終え、「バーディ上がりだったので気持ち良かった。雰囲気も最高で楽しかったし、プロゴルファーで良かったと思う瞬間ですよね」と充実の表情で振り返った。

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かねて持病の潰瘍性大腸炎を抱えてプレーを続けてきたが、今回は学生のころから悪化をたどっていた「過敏性腸症候群のほうが酷かった」という。発症したのは昨年4月の第2戦「関西オープン」開幕前、月曜に行われたプロアマ後。「疲れや思考によってお腹にきて熱が出て、下痢が10日は止まらない病気。今回は完全にストレス」。とてもプレーできる状態ではなく大会は欠場。回復に翌週までかかったことで長期療養を決意し、特別保障制度の適用を申請した。

「けっこう迷いました。休みたくないけれど、思いきり休むことも大切かなと。周りの人たちの応援があってやれていることを気にするとまた発症してしまうだろうけど、スポンサーさんを含め『しっかり休んで。ヒマならゴルフをしよう』と言ってくださる方ばかりだったので助かりました」

療養期間中はほとんどクラブを握らず、医学的治療のほかメンタルトレーニングにも多くの時間を費やした。2018年「東建ホームメイトカップ」で初優勝を飾った瞬間こそ喜びに浸ったが、以降は成績を維持しなければいけない重圧が増した。「いっぱいいっぱい。ゴルフを楽しむよりもメンタル的なことで苦しかった」と吐露する。

大切なのは、自分を追い詰めることなくゴルフと向き合いながらラウンドを楽しむこと。「休んだことで初心に戻ることができた。面白いもので、休んでから一回も(症状が)出ていない。やっぱりメンタルと疲れだったんだなと分かりました」。休養期間中にトーナメント中継の解説を務めたことも「すごく新鮮でいい人生経験になった」と振り返る。

重永が保持している賞金シードの維持には、保証制度の適用期間として出場できる復帰後20試合で昨季シード獲得ラインの賞金ランキング69位相当(1132万9850円)以上を稼ぐ必要がある。「まずはゴルフを楽しむことが僕の病気に対しての療養になる。そこと上手くやっていきながら、結果的にシードが獲れたらいい。もちろん、やるべき時には一生懸命やりますけど、だからといって違う方に苦しめないようにはしていきたいです」。プレーにはまだまだ多くの課題を口にしながらも、表情は清々しかった。(三重県桑名市/塚田達也)

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