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190センチで300yd飛ばす 規格外の15歳・鈴木新一がツアーデビュー

◇国内男子◇ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 2日目(9日)◇麻生飯塚GC (福岡)◇6809yd(パー72)◇晴れ(観衆1198人)

身長190センチで300yd以上飛ばす15歳が、ツアーデビューした。アマチュアの鈴木新一は通算3オーバーで予選落ちしたものの、スケールは規格外。「楽しかったです。いい経験になったし、これからもっと頑張ります」と、将来のスター候補が2日間を振り返った。

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スリムな体型だが、体重は80キロある。力強いスイング、ヘッドスピードは秒速50mを超え、ドライバーショットは本人いわく「アベレージで305yd」。それでいて「キャリーだけでランが出ない」とこぼすが、15歳で300yd超を飛ばして一体何の不満があるのか…。クラブはウッドが1番と3番、ユーティリティ1本でアイアンが4番からとハードなラインアップ。ウェッジは50、54、58度を使い分ける。

通算イーブンパー74位から予選通過を目指したこの日、スタートの1番パー5(501yd)はドライバーショットが右に飛び出したが、木に当たってフェアウェイへ。ショートアイアンで楽々2オンさせ、2パットのバーディでスタートした。7番パー4(383yd)は3番ウッドで強烈なロードローを打ち、バーディにつなげた。最終的に4バーディ、3ボギー2ダブルボギーの75に終わったが「風の影響を受けないように」球を操る大人びた一面も披露した。

フィリピンのマニラ郊外で生まれ育った。日本人の父はゴルフ場「ザ・マニラ・サウスウッド」内の工房で働くクラブ職人で、今回はフィリピン人の母がキャディを務めた。幼少時からゴルフに親しみ、思わぬ出会いでさらに熱が入った。現在、米下部コーン・フェリーツアー参戦中の桂川有人が中学卒業後、フィリピンにゴルフ留学した際のホームステイ先が鈴木の実家だ。コロナ禍の昨年にスコットランドのジュニア大会に参戦した際、全英オープンに出場した「お兄さん」と呼ぶ桂川と約2年ぶりに再会し、大喜びした。

桂川と日大ゴルフ部同期で仲の良い清水大成もフィリピン合宿で鈴木と知り合いになり、今週約4年ぶりに再会。練習ラウンドを一緒にこなした。

清水は言う。「ビックリしましたよ。4年前は(目線を自分の背より下げて)このぐらいだったのに、見上げるぐらい大きくなって」。約20センチ背が伸び、自分を追い越したことに驚いた。鈴木のドライバーにもギョッとした。「何とかちょっと、10ydぐらいかな…。僕の方が飛んでましたけど、今後もし、僕がトレーニングを怠ったら、抜かれますね」とあきれた。

「新一」という名前は、母が大好きな日本アニメ「名探偵コナン」のキャラ「工藤新一」から取ったとか。しかし、来日経験は4月のジュニア大会が初めてで、今回が2度目。日本語は全く話せず、鈴木は今回の来日で「新」が「new」で「一」が「one」を意味すると知った。名前のように成長したい。「PGAツアー、日本ツアーで戦いたい。海外メジャーは全部勝ちたいです」と大きな夢を口にした。(福岡県桂川町/加藤裕一)

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