「日本オープン」最終スコア
2024年 日本オープンゴルフ選手権競技
期間:10/10〜10/13 場所:東京GC(埼玉)
今平周吾が吠えた「頭が真っ白」なウィニングパット 初優勝から7期連続Vは史上3番目
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 13(最終日)◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉)◇7251yd(パー70)◇晴れ(観衆6382人)
「いやあ、ない。初めて見た」。長らくタッグを組む柏木一了キャディも、目の前で見た今平周吾の“雄たけび”に驚いた。1組後ろを回る木下稜介のプレッシャーを感じながら、最終18番で20mのバーディパットを決めて通算4アンダーで優勝。「まさか入ると思っていなかったので…なんかすごい、頭が真っ白」と、自身でも予想外のウィニングパットとなった。
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1打差3位で迎えた難関コースでの最終日は、スコアの予想が全くつかなかった。「とりあえず自分の目標はアンダーパー。上がり3ホールくらいでボードを見るくらいの気持ちでやっていた」という。勝敗を決したのは、予想通り終盤だった。
前半は1mにつけた4番(パー3)、続く5番(パー5)とショットでチャンスを作ってスコアを伸ばし、バックナインに入った時点で木下と首位に並んだ。後半はなかなかスコアが動かない展開で、後ろから大歓声が聞こえたのは、木下に1打リードで迎えた18番のセカンド地点に立った時だった。
17番(パー3)の1打目をグリーン右のバンカーに外した木下が、2打目を直接カップに沈めるバーディを奪い、通算3アンダーで並ばれた。グリーンを外したのは分かっていたが、「良くてパーかなと思ったところで声援が起きて」。振り返ると大歓声に手を上げて応える木下の姿が目に入った。
決してボギーをたたけなくなった局面で、230ydの第2打はグリーンを捉えたものの、3パットも危険をはらむ距離のあるバーディパットを残した。「とりあえずパーをとって、プレーオフに持っていければ」という一打は、ラインに乗ってカップに消えた。「10回打っても入らない」と振り返る段越えのロングパットに、自分でも無意識に叫んでいた。「人生初です。あれが入ったら、みんな声が出るんじゃないですか」
昨年11月「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来となる節目の通算10勝目を、地元の埼玉、それも初のメジャータイトルで達成。2017年の『初優勝からのシーズン連続優勝』も継続し、7シーズン連続は片山晋呉と池田勇太(11シーズン)、尾崎直道(8シーズン)に次ぐ3番目の記録となる。
また、この優勝で賞金ランキングは13位から4位に浮上。本大会終了後の賞金ランキング上位8人に与えられる「ZOZOチャンピオンシップ」(10月24~27日/千葉・アコーディア・ゴルフ習志野CC)の出場権も獲得した。「ZOZOに出るためにも今週は頑張りたいと思っていた。この調子をZOZOに持っていけたら」。日本開催の米ツアーは2019年の第1回大会からすべて出場。日本ツアーの賞金ランクから自力で出場を続けている唯一の選手だ。
「地元の開催でしたし、日本オープンというすごいデカいタイトル。うれしさが重なった」。激闘を終えた日本オープン初の埼玉県チャンピオンは、朗らかに笑った。(埼玉県狭山市/谷口愛純)