「私は背中で励ます」青木瀬令奈が戦友・成田美寿々にキャディをお願いした理由
◇国内男子◇前澤杯 MAEZAWA CUP 初日(23日)◇MZ GOLF CLUB(千葉)◇6652yd(パー72)◇雨
国内男子ツアーで初めてプレーした青木瀬令奈の隣には、女子ツアー通算13勝の成田美寿々の姿があった。午前8時5分、出だし1番のティイングエリアでは「今大会が男子ツアー初出場の青木瀬令奈。キャディは成田美寿々プロ。2人合わせて通算18勝です」とアナウンスされ、ともに33歳の同世代コンビに拍手が送られた。
ふたりはともにスイスの高級腕時計ブランド「リシャール・ミル」と契約を結ぶ間柄でもある。青木は「(出場の)お話をいただいたときに“ファミリー”で頑張りたい」とキャディをお願いした。2021年末に8シーズンにわたって守り続けたシードを失い、成績不振が続く成田への“エール”のつもりでもある。「一番飛ばない私が、男子ツアーにチャレンジする姿を見て何かを感じるものがあったらいいなって。私は言葉で励ますより、背中で励ますタイプ」とオファーに至った。
スランプ脱出を目指す成田は今季まだ試合に出場していない。昨年、左手親指に「5年ぐらい前の(けが)が、ぶり返した」と痛みが出て、同10月の下部ツアー「ヒルズレディース 森ビルカップ」の第2ラウンド途中で棄権。予選会(QT)を除き、実戦が遠のいている。
「無理やり痛みを抑えて」出たQTは187位で、今季は国内女子の下部ステップアップツアーにも出られない状況になった。「しっかり治そうと3カ月ぐらいゴルフをしないようにしたけれど、全然治らない」。スイング中、トップから切り返す際に出る痛みが特に激しく、診察を受けても原因不明だという。「どう治していけばいいのか」と悩みは解消されず、今年は「2ラウンドぐらいしかしていない」と話す。
苦しい時期ではあるものの、今週は「ファミリーでもあるけど、一番の戦友であり、ライバル」である青木のサポートに徹している。過去に宮里優作のキャディを務め、今回が人生で2回目。青木とは普段、「必要最低限の事項だけを連絡し合う」という少し意外(?)な関係性だが、ロープ内でのやり取りは綿密だった。
初日を「71」で回った青木は「めちゃくちゃ助けになりました」と感謝した。「会話も、テンポも。練習日からちゃんとキャディできているのもすごくびっくりだし、すごく頼もしい。雨が降って余計に仕事も増えたと思うけど、それでもしっかり“そつなく”。『何でもできるんだ、この人』って」。ちなみに、パッティングでラインを読む際に「“ワンカップ外”はどこか」という論争が試合前にあったとか。初挑戦の男子ツアーをふたりで戦い抜く。(千葉県睦沢町/石井操)