“午後組”なのに薄暗い早朝コースで洋芝特訓 中野麟太朗が上位争いに踏みとどまれた理由
◇日韓共催◇シンハンドンヘオープン 初日(10日)◇ジャック・ニクラスGC(韓国)◇7502yd(パー72)◇曇り
午前スタート組の選手が乗る早朝6時のシャトルバスに、その姿はあった。中野麟太朗のスタート時間は11時50分で午後組のトップ。時間はまだたっぷりとあるはずなのに、なぜそんなに早くコース入りしていたのか。
開幕前日の練習、22歳は韓国のベント芝への対応に不安を抱えていた。「ここのベント芝は単に沈みやすいだけでなく、なんかフワフワで…。柔らかくて沈みやすい独特な感触。ターフが取れすぎてしまうんです。どうやって(ヘッドを)入れればいいんだろうって」。その夜にトレーナーとも相談し、「この状態では稼げる気がしない」という危機感から早朝練習を決断したという。
「『今日も頑張りましょう』と言いながら、午前組の顔をしてバスに乗りました(笑)」と素知らぬ顔をして、まだ薄暗いコースに到着。練習場で約1時間みっちりと球を打ち込み、「ターフを無理に深く取らずに薄く長く取ることにしました」と作戦を変更した。打ち方をつかんで安心し、一旦ホテルに戻って仮眠。そして本来の予定通り、スタート時間に合わせた10時のバスで再びコースへ入った。
迎えた第1ラウンドは、5バーディ、3ボギーの2アンダー25位でフィニッシュ。「昨日までの状態を考えたら、このスタートは切れなかった。うまく良い方向に持っていけました」と長い一日を終えてホッと胸をなで下ろした。
実はこの早朝練習、ナショナルチームの先輩である金谷拓実の行動を参考にしたものだという。「金谷さんも朝イチに来てパッティング練習をし、一度帰ってからまた来ているという記事を読んで『本当にやっているんだ』と思い、自分も試しました。実際、午前中は暇ですしね」と茶目っ気たっぷりに話した。
一時は崩れかけていたショットのイメージも「70%まで回復した」と、2日目以降に向けた手応えもある。「予選通過はもちろん大前提ですが、もう少しリスクを取った攻めで自分らしくアグレッシブなゴルフをして、残り3日間で爆発的なスコアを出したい。(7時スタートの)明日こそ、ちゃんと早朝の便で“本物の午前組”の顔で行きます」と自然体で意気込んだ。(韓国・仁川/服部謙二郎)