山下勝将は姉・美夢有Vの観戦を取りやめた 父との“緊急合宿”で復調好発進
◇国内男子◇ANAオープン 初日(17日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ
前半の18番、山下勝将はティショットを左の林に入れた。ところが幸運にも、木と木の間にグリーンを狙えるスペースが残っていた。170yd、8番アイアンを手にピンを攻めた一打はピンそば50cmにピタリ。このリカバリーショットをはじめ、復調したショットがスコアを支えて6バーディ、1ボギー「67」をマーク。「ショットが安定していた」と5アンダー2位発進を決めた。
1週前まで、どん底だった。「もう何をしてもダメだった」。3週前「KBCオーガスタ」は通算9オーバー136位、前週の下部ACNツアー「ケーダッシュセカンドチャレンジカップ」は通算10オーバー131位と、2戦連続で予選落ちを喫した。前週末には、米ツアーを主戦場とする姉・山下美夢有が参戦した「日本女子プロ選手権」を父・勝臣さんとともに観戦予定だったが、急きょ取りやめた。
11日未明、午前3時に茨城を出発。父が運転する車で向かった先は、練習拠点の兵庫・六甲国際ゴルフ倶楽部だった。午前11時に到着すると、そのまま練習を開始。2泊3日の“緊急合宿”に入った。取り組んだのは、スイングそのものの修正だった。「ヘッドを走らせるのではなく、フォローを長く出すイメージ」。意識を変えたことでヘッドが返り過ぎなくなり、左へのミスが軽減したという。「そこからショットが安定している」。その手応えが、初めて回る札幌GC輪厚コースでの好発進につながった。
北海道入りした13日には、姉がプレーオフを制して今季日米ツアー3勝目を挙げた。飛行機を降りた直後に結果を知り、「あ、また優勝か」と思ったという。すぐに祝福の連絡を送ると、「勝将はそっちで頑張って」とエールが返ってきた。
きょうだいでの男女ツアー優勝となれば、河本結、力に続く5組目。2週連続となれば、史上初となる。ただ、プロ2年目の23歳は冷静に足元を見つめる。「まだ1日しか終わっていない。今取り組んでいることをできるように、一打一打集中して頑張りたいと思う」。復調のきっかけとなった「67」を、残り3日間の戦いにつなげていく。(北海道北広島市/中村文香)
<国内男女プロのきょうだいツアー優勝>
▼中嶋常幸(1976年 ゴルフダイジェスト・トーナメントなど48勝)
中島エリカ(1986年Qtai・北陸クイーンズなど4勝)
▼宮里聖志(2004年 アジア・ジャパン沖縄オープン)
宮里優作(2013年 日本シリーズJTカップなど7勝)
宮里藍(2003年 ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンなど15勝)
▼香妻琴乃(2018年 マンシングウェアレディース東海クラシック)
香妻陣一朗(2020年 三井住友VISA太平洋マスターズなど3勝)
▼河本結(2019年 アクサレディスなど6勝)
河本力(2022年 Sansan KBCオーガスタなど2勝)
※宮里藍は米女子ツアーでも9勝