「この試合は通れる気がする」片岡尚之はもがきながら北海道14戦連続予選通過
◇国内男子◇ANAオープン 2日目(18日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7066yd(パー72)◇晴れ
開幕前日、片岡尚之の表情は曇っていた。年に1度、地元・北海道で開催されるトーナメントにも関わらず…。右足首を痛めて棄権した前週「シンハンドンヘオープン」は、ゴルフの状態も最悪だった。打開策を見つけようともがいている状況が悔しくて仕方ない。地元の期待を背負って戦う28歳は、報道陣からの取材にそんな現状を包み隠さず丁寧に説明した直後、つぶやいた。「なんか、すごいネガティブなことばっかり言っちゃって…」
しかし、決してあきらめていなかった。最も苦しんでいたのがグリーン上。練習する片岡のバッグには、計4本のパターが入っていた。なかから選んだのが、初めて使う中尺パターのオデッセイ「TRTL」(タートル)。そしてルーティンも変えた。ヘッドの動きをイメージするために、インパクトまでの動作を直前に予行した上でストロークを行う。「それがうまくいってる」と、良いイメージでパットを打てるようになった。
22位で迎えたこの日。ショットが暴れて4ボギーを叩きながら、5バーディ「71」と粘って通算4アンダーで決勝ラウンドに進んだ。やはり、鍵はグリーン上だった。1番でピン右から、上って下る10mのフックラインをねじ込んでバーディ発進。9番、12番、17番(いずれもパー5)でもミドルパットを残しながら、6m前後を次々と沈めた。最終18番ではピン奥5mから、下りのシビアなパーパットを決めてアンダーパーを死守した。
昨年の日本オープン王者は今季、海外メジャー2試合に出場する一方、国内ツアーでは苦しい戦いが続く。6月の国内メジャー「日本ツアー選手権」で2位に入ったが、ここまでの11試合で決勝ラウンドに進んだのはわずか6度。流れをつかみきれぬシーズンを送っている。
実は、開幕前日にもう一つ、つぶやいていたことがある。「今は迷宮入りしていて、普通だったら予選を通れないような感じですけど、なんかこの試合は通れる気がするんです」。アマチュアで初めて出場した2014年から、北海道で開催されたツアー4大会、計13試合で一度も予選落ちしていない。「毎日試行錯誤してやっていて…1日1日、なんとかいい方向にいってくれたらいいんですけど」とやはり厳しい表情を作ったまま、週末の戦いを見据える。地元での一戦を、勝負の秋に向けたきっかけにしたい。(北海道北広島市/中村文香)