2026年 リシャール・ミル チャリティトーナメント

挫折を味わった大西魁斗「考えると涙が出てきそう」 周囲の支えを力に逃げ切りV

2026年 リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日 大西魁斗
大西魁斗が4年ぶりの勝利を手にした

◇国内男子◇リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日(27日)◇朱鷺の台CC眉丈台C(石川)◇6838yd(パー70)◇曇り(観衆2602人)

手に汗握る激闘を制した大西魁斗にとって、今回の勝利はこれまでの2勝とはひと味違った。「本当に全然違いました。攻撃的に行きたかったけど、ミスが気になるし、狙いたいところに狙い切れなかった」。日本と米下部ツアーで挙げた過去2勝はいずれも追う立場から逆転したもの。苦しみながらも、単独首位から初めて逃げ切った1勝に大きな意味を感じている。

ミスへの警戒心が先に立ち、前半は思うように攻め切れない時間が続いた。スコアを伸ばせずイーブンで折り返す一方、同組の小平智は前半9番から3連続バーディ。13番(パー5)も伸ばして首位に並ばれ、ようやく腹をくくった。「米ツアーで優勝している選手なので、気が抜けないというか。やっぱり攻めるゴルフをしないといけない」

勝負の分岐点は同組の2人とほぼ同じ距離につけた14番だった。「自分が先に入れられたのが、優勝につながった大きなワンショットだった」。2.5mのフックラインを沈めるバーディで再び一歩前へ出ると、16番(パー5)では勝利を大きく手繰り寄せる約10mのイーグルパットをねじ込み、力強く拳を握った。

2026年 リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日 大西魁斗
周囲の支えが力をくれた

2022年「フジサンケイクラシック」で日本ツアー初優勝。翌年から米下部コーンフェリーツアーに戦いの場を移し、24年「UNCヘルス選手権」で同ツアー初タイトルをつかんだ。一見すれば順風満帆にも映った。

ただ、そんなに甘くなかった。25年に挑んだPGAツアーでは結果を残せず、今季は再び下部ツアーへ。そこでも思うような成績を残せない期間が続いた。「日本ツアーのルーキーの頃は、すごく自信があった。でもコーンフェリー1年目は思うようにいかなくて、優勝してPGAツアーに行っても思うようにいかなかった」。今季も下部ツアーで結果が出ず、日本に戻ることになった。

失いかけた自信をつなぎとめてくれたのは、両親、そして長年スイングを見てもらう内藤雄士コーチだった。「ちょっと考えると涙が出てきそうなんですけど、内藤さんとは誰よりも一緒に時間を過ごしてきた。お母さんとも、お互い英語もしゃべれないところからスタートして、自分がネガティブな時でも信じてくれた。本当に周りの方に支えられて、今ここにいる」。個人競技のゴルフだが、支えてくれる存在が何よりも心強い。

2026年 リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日 大西魁斗
初めての逃げ切りV

4年ぶりの日本ツアー優勝を“逃げ切り”という新たな勝ち方で飾り、安どの表情を浮かべながらも、表情はすぐに引き締まる。「来週(ドラッグストア・コスモスカップ)もあるし、日本オープンも控えている。きょうも反省点はいろいろあった。年末までに状態を良くして、(米ツアー)予選会の2次に向けて頑張っていきたい」。もう一度、米国で戦うために――。これからも支えてくれる家族や仲間と一緒に、険しい道を歩いていく。(石川県羽咋市/安平賢太郎)

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