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小平智のブレない信念 不調もなんの、米ツアー予選会挑戦へ

福島県のグランディ那須白河GCで開催中の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」3日目。ようやく今季4試合目の予選通過を果たした小平智が、24位タイから「64」をマークして、トップと3打差の通算12アンダー3位タイに浮上した。

今季ベストとなるビッグスコアに、一番安心した表情を浮かべたのは本人に他ならない。「最近調子が悪かったんで、いいきっかけになってうれしい」。前半インで4バーディをマークすると、唯一のボギーをたたいた直後の7番(パー5)では、残り250ヤードから5番ウッドで2オンに成功、イーグルを奪って優勝戦線に踏み込んだ。

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シーズン前半戦の不調の大きな理由は、トレーニングに重点を置き、打ち込みが例年に比べて少なかったことにあった。「スイングのバランスが崩れた。“マン振り”しても曲がらなかったのが、今年は曲がる」。持ち前の飛距離は健在だが、フェアウェイキープ率は昨年より約4ポイントも低い51.49%(全体81位)に落ち込んでいる。

今年から用具契約をプロギアに変更。以前使っていたドライバーを練習場で握ってみても「差は無い。悪いのは自分だ」と原因をあくまでスイングに求め、昨年のVTRも繰り返し見た。状態がようやく上向いたのが7月。「ボールから離れすぎている」と先輩プロに指摘を受け、今大会前のオープンウィークも練習ラウンドとレンジでの打ち込み三昧。「だいぶ安定してきた」と自信を取り戻しつつあるところだ。

昨年、国内メジャーの「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」を制して5年シードを獲得。オフには近い将来の米ツアー挑戦に意欲を見せていた。

そしてこの日も「今年QT(予選会)を受けようと思っている」と力強く口にした。ここまでの不調にも、信念は揺らいでいなかった。「自分は(日本ツアーの)後半戦、QTに照準を絞っているというか。前半戦はダメで落ち込みましたけど、あまり気にせずポジティブにやりたい」

昨シーズンからの制度変更により、秋にスタートする米ツアーのQTは、下部ツアーであるウェブドットコムツアーの登竜門となる。仮に通過しても来季、松山英樹石川遼の主戦場であるPGAツアーのプレーヤーにはなれないが「そんなこと全然気にしません」。

「遼とか、松山みたいに、一発でバン!バン!という感じ(で活躍する)じゃなく、僕はコツコツやる。日本でもQTから上がってきた。アメリカでもそういきたい」。瞬く間にスターダムに駆け上がった後輩2人とは違う。一歩ずつ階段を上がってきた自分の道のりにプライドを持っている。

最終日は今季初勝利を十分に狙える位置からのスタート。「調整段階なんで、意気込み過ぎず冷静にいきたい」。あくまで視線の先は、シーズンが本格化する秋、そして海の向こうにある。(福島県西郷村/桂川洋一)

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2014年 ダンロップ・スリクソン福島オープンゴルフトーナメント



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