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荒療治を信じて・・・シード危機の矢野東が首位発進

賞金ランキング90位と低迷中の矢野東が「ブリヂストンオープン」初日に6バーディ、ノーボギー「65」(パー71)をマーク。後半15番から4連続バーディで締めくくるスパートをかけ、6アンダー単独首位で飛び出した。

「ピンチもけっこうあったけど、内容はどうあれノーボギーで満足している」。15番、16番と伸ばして迎えた17番(パー3)では30ヤードからチップイン、最終18番(パー5)はグリーン奥のエッジから5mをパターでねじ込み4連続。「最後は“おまけ”が2つ続いてくれた。最高ですね」。

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しかし今季は、1日の好ラウンドだけでは手放しで喜べない状況だ。ショットの不調が続き、前週までの17試合で予選落ちは10回、最高位は19位タイ。シーズン終盤戦を前に来季シード獲得ラインの賞金ランク60位は遠く、2002年から12年連続でキープしているシード喪失の危機に陥っている。

「このままじゃダメ。今までやってきたことを、ぜんぶ見直そう」。師事する内藤雄士コーチと決心を固めたのは3週間前の「トップ杯東海クラシック」から。矢野の感覚的な表現を借りるならば「今まで真ん中だったインパクトポイントを30cm左サイドにずらす」という荒療治だった。「余りに悪かったから、諦めがついた」と、これまで築き上げてきたスイングの大改造に踏み切ったという。

グリップも修正した。当然ながら、今も大きな違和感はある。しかし、この日のように結果が出たことで前を向ける。「気持ち良さはないけど、裏腹にショットの結果はいいので、やっていることは悪くないと思う」。

「今日は、本当に、本当に、本当にたまたまですから」との声も、決して謙そんではないのだろう。「今年はシードどうこうよりも、もっと先のこと。とにかくボールをたくさん打って、感覚をすり合わせていきたい」。スランプ脱出を信じて、無心に、ひたすらクラブを振り続ける。(千葉市/塚田達也)

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