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「おれの資格はどこへ?」松山英樹が抱いたJGTOへの困惑

<なぜ米国を選ぶのか?>

胸にしまっていた不満を、慎重に、言葉を選んで吐露した松山。だが、勘違いしてほしくはない。ツアー関係者には厳しく響く可能性もある言葉は、これから海外に出ようと、後に続く選手たちへの思いを込めてのものだ。

「日本ツアーへの嫌気なんかないです。あるわけない。悪口を言うつもりもない。だってまだ僕、(プロ転向から)2年目だし」

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今季はわずか2試合にとどまった国内ツアー出場数。頭に描く来季のスケジュール感覚も大きな変わりはいまのところないという。

「当然出たい気持ちはあるんです。ダンロップフェニックスとか、日本オープンとか…三井住友VISA太平洋マスターズも良いコースだし…だけど、実際に自分が本気でプレーしたいか、本気でプレーできるかと言うと、考えて、考えて、どちらかというと『NO』になってしまう時がある」

大きな故障から解放されたのはまだ数カ月前のこと。いまはまだ闇雲に試合に出て、すべてに全力投球できるほどの余裕がない。それもまた、今後の課題のひとつだ。

自身の活躍がフィーチャーされる一方で、日本人選手と外国人との差を嘆く声はなかなか小さくならない。だが当の松山は「日本人選手のレベルは低くないと思う」と断言する。

「今年はPGAツアーの選手が日本で多く試合に出た。バッバ・ワトソン(三井住友VISA太平洋マスターズ)、アダム・スコット(日本オープン)、ブラント・スネデカー(ブリヂストンオープン)…。でもその中で、トップ10に入ったのはジョーダン・スピース(ダンロップフェニックス3位)だけでしょう。それを考えたら、日本のレベルは単純に言えば低くない。その外国人みんなが勝っていたら、レベルが開いていると言われたって仕方がない。でも、日本ツアーは彼らがパッと来て、勝てるレベルではないということじゃないですかね」

腕は日本にいても磨ける。であれば、なぜ、松山は米国を選ぶのか?

「日本人のレベルが低くないというのは、日本のコースでやった場合の話。アメリカ、イギリスではまた違うと思うんです。日本の選手がメジャーでアメリカに来て、みんなが予選を通過して30位以内に入っているかと言われたら、それもまた『NO』。日本のコースでやっていれば、日本人は強い。アメリカでやればアメリカで強くなるのは当然だと思う。もちろん考え方は人それぞれ。けれど、僕はアメリカで勝ちたい、海外でやっているメジャーで勝ちたい。だからこっちのゴルフで活躍することが大事だと思った。それに向けてやってきたし、今もそうしている段階なんです」

ツアーメンバーとして1年間プレーした米国での戦い。日本との大きな違いと痛感するのがやはり、コースだ。日本のセッティングは「甘い」と言われるが、それを厳しくすれば、米国のコースの難しさに近づけるだろうのか?

松山は「無理です。コース自体を変えなくちゃだめです」という。ただその理由を、敷地の広大さだけに求めてはならないと警鐘を鳴らした。

「コースの長さはそのままでいいと思う。18ホール、7000ydのコースしか作れないのであれば、7000ydでいい。例えば、2013年のメリオン(全米オープン)は6900ydだった。みんなヤーデージだけ見ると『短い』と言っていたけれど、プレーした選手が『短い』と、ひとりでも言いましたか?『モンスターコースだ』と、みんなが言った。それだけ戦略性があって、短いのに長く見せられる。そういうコースでなくちゃ、うまくならない」

「でも、それを日本でやってしまうと、(一般)営業にならないんですかね…。でも、やみくもに難しくしなくたっていいんです。『短いけれど、バンカーがたくさんある』とか、『このホールは長いからフェアウェイを広くしてあげよう。でも罠はある』とか『グリーン周りのラフを一切なくしてしまう。でも砲台グリーンになっている』とか…。(それぞれの状況で)選手が頭に、たくさんアイデアを浮かべられるようなコースがいい」

<子供たちへの思い>

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