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小平智が日本オープン初制覇 「ダントツで優勝するイメージしかなかった」

大会開幕前、練習場で会った小平智に1オンが狙える8番(366yd/パー4)の攻め方について尋ねると、「1Wで狙います。基本的には届くので」と即答した。初タイトルを獲得した国内男子メジャー「日本オープン」の4日間、小平は自らの言葉通りにこのホールで1Wを振り続けた。

「4日間フォローだったし、フォローなら1Wと決めていた。練習ラウンドでも刻んでいないし、普段やっていることから外れると、一貫性がなくなって脳はパニックを起こすので」。脳をコントロールして、パフォーマンスを向上させる。取り組み始めてまだ1カ月しか経っていない“勝負脳”の考え方は、六甲国際GCでの小平の快進撃を後押しした。

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池田勇太に2打差をつけてスタートした最終日。小平は最後までネガティブな考えを頭の中に入れなかった。折り返した後半に、10番、13番とボギーを叩いて池田に並ばれても「上がり3ホールが勝負だと思っていた。並ばれた方が気持ちは楽。1打リードしていると、逃げなきゃとかいう気持ちになる」とその心境は明鏡止水。

14番(パー5)は1W、3Wと会心のショットを続けて2オンに成功した。3パットのパー止まりだったが、終盤に向けてショットはキレを増してきた。15番、7mのバーディパットは強いタッチでカップへ突き進んで、真ん中からドスン。「強かった?真ん中から入るイメージしかなかった」と、カップの先のことは一顧だにしていなかった。

首位に並んで迎えた最終18番は、ボギーを叩いた池田に対してパーセーブした小平に軍配。「最後に優勝するのは自分だと信じて、優勝カップを持っているイメージしか持たなかった」。だが、26歳で2つめの日本タイトルを獲得した男は、勝って兜の緒を締めた。「今日はダントツで優勝するイメージしかなかった。こうなってしまったのは自分の弱さ」。嬉しいことは間違いない。だが、最終ホールまでもつれた最少ストローク差での優勝を、手放しで喜ぶことはできなかった。

それでも、海外進出を目指す小平にとって、今大会の優勝で得られた5年シードは1つの武器となるだろう。さらに、来年の「全英オープン」出場権も獲得した。「うまくて若い選手がなんでもっと海外に行かないのかなと思う。この先2、3勝したいし、賞金王も視野に最後まで突っ走りたい」。伸び盛りの若手の言葉は、最後まで熱かった。(兵庫県神戸市/今岡涼太)

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