賞金王キム・キョンテがPO制し優勝 熊本出身の永野は1打及ばず
2016年 東建ホームメイトカップ
期間:04/14〜04/17 場所:東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)
「不思議な力が働いた」熊本県勢・永野竜太郎は3位 重永亜斗夢4位
思いはきっと届く。三重県で行われた国内男子ツアー「東建ホームメイトカップ」最終日。14日から連日の大地震に見舞われている熊本市在住の永野竜太郎は通算12アンダーの3位、重永亜斗夢は6アンダーの4位タイで悲痛の週末を終えた。
「今週は少なからず不思議な力が働いたかもしれない」。最終18番で6mをねじ込みバーディフィニッシュを決めた永野が言った。開始時刻を1時間半遅らせた午前中の大雨の影響で、遅くなったグリーンを攻めあぐねた前半戦を終えた直後、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功新会長と握手を交わし、声をかけられた。「熊本のために頑張れ」
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ひとつもスコアを伸ばせなかったアウトから一転、サンデーバックナインで怒涛の6バーディ(1ボギー)。「難しい8番、9番の状況で耐えられたのが良かった。いつもだったら弱い自分が出ているところがあるけれど、きょうは違った。ゴルフの試合くらいで…そんな気持ちになっても仕方がない。自分の気持ちなんて(被災者の方に)比べたら、何にもならない。自分を強く持った」。最終的にはプレーオフに1打及ばなかったが、「66」をマークした。
ラウンドの前後に家族の安否を確認する毎日だった。自宅への交通手段が断たれ、あす以降も遠征が続くが、それを嘆く気はさらさらない。
「ゴルフ以外のことでいろいろあって、精神的な疲れはあっても、自分がまいっていても意味がない。何らかの形で貢献したい。できる限りのことをやりたい」と永野。4位フィニッシュに唇をかんだ重永も「正直言えば、涙が出そうなくらい熊本が心配です。すごく熊本のことが好きで。ずっと離れたくないくらい好き。今週も、来週からもいろんなことをやりたい」と顔を上げた。
いつもにこやかで、柔らかく、どこか頼りなさげだったふたりの顔に、プロアスリートとしての強い使命感が漂っていた。(三重県桑名市/桂川洋一)
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