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0.25インチのひらめき 21歳・稲森佑貴のホップステップ

◇国内男子◇アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 初日(22日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7320yd(パー70)

わずか6mm強の違いが、快適なストロークを呼んだ。ツアー初勝利を目指す稲森佑貴が5バーディ、2ボギーの「67」で回り、3アンダー。33.5インチのシャフト長を33.75インチに伸ばしたパターで、首位と3打差の9位発進を呼んだ。

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シード選手で最も若い21歳の武器は、精度の高いティショット。昨年ツアー1位に輝いたフェアウェイキープ率(69.61%)は今年も健在で、ここまで71.41%と再びトップを走っている。ツアープレーヤーとしてもう一段、ステップを踏むためにはパッティング精度の向上が必要。平均パットは昨年1.8169で全体85位、今年も1.8202の86位と苦しい。

ひらめきがあったのは、前週の「ANAオープン」。これまでよりも0.25インチ(6.35mm)長いパターを手にしたことで、アドレスとストロークの安定性を実感した。「体からグリップまでこぶし1個分くらいの間隔を開けて、振り子感覚で打てるようになった」。ボールの転がりもスムースになり、この日の18ホール30パットは数字以上に手応えを感じられるものだった。

高校2年生でプロになり、シード2年目の今季は1月の「SMBCシンガポールオープン」で初めて海外の試合に出場した。英会話がままならず、右も左も分からないままバスを乗り間違えたこともあった。続く「レオパレス21ミャンマーオープン」では訪れたヤンゴン市内の寺院で、頼みもしないのにいつの間にか館内の案内を受け、料金を支払わされるなど異国の地での“洗礼”を受けた。

日本ツアーとアジアンツアーの共同主管競技で初タイトル獲得となれば、両ツアーのシードが手に入ることになる。「試合じゃなくて、一度ハワイに行ってみたいです!」と言うあたり、あどけなさは残るが、いきなり階段を何段もすっ飛ばすことになるかもしれない。(大阪府茨木市/桂川洋一)

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