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谷口徹と小平智の“師弟関係” さて、師匠はどっち?

◇国内男子◇マイナビABC選手権 初日(27日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217yd(パー72)

大会初日を3アンダー、10位タイで終えた谷口徹は、ちょっぴり上機嫌に話し始めた。「ショットがだいぶ良くなって来たんでね。先週も小平(小平智)と2日間一緒に回って、(年下だけど)上から目線のアドバイスをもらったんで。感覚的にはローテーションを減らして、昔のスイングに近い感じですわ」。

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現時点で賞金ランク64位に低迷するベテランにとっては、気持ち良く振り切る小平のショットは惚れ惚れするものだったという。

「『すごいっすねー』って、褒めちぎったら天狗になってね。『お前のショットなら俺は5アンダーで回れる』って言ったら、あいつは『僕が谷口さんのショットなら(ハーフ)43は打ちますよ』って(苦笑)」。

谷口のショートゲームの巧さは自他ともに認めるもの。後輩のショット力に「微塵も曲がる気配を感じなかった」と舌を巻きつつも、しっかりとそのエッセンスを取り入れて、「ゴルフが楽しくなってきた」と表情は明るかった。

一方の小平は、この日は1アンダー34位。「今日は短いパットをポロポロと外してしまったけど、調子は相変わらずいい」と自信たっぷり。谷口のコメントを記者から聞きつけると、「はい。ラウンドが終わって『教えろや!教えろや!』っていうので、アドバイスしました」とあっけらかんと言う。

「いつの間にか、僕が師匠になってますけどね」という裏には、小平がシード権を獲得する前から、谷口に目を掛けてもらっていた事実がある。「そのときに教わったことは企業秘密ですけど、今でも使っています。ありがたいですね」と、かつての師匠を持ち上げることは忘れなかった。

今大会では、谷口が開幕前に後輩達を鴨鍋に招待することが恒例になっている。今週も神戸で宴が催された。参加したのは小平のほか、薗田峻輔永野竜太郎。「どんな成績だろうが、ご馳走になります(小平)」と、勘定は常に谷口が負担する。「あいつら、先輩を全然立てないし、おかわりばっかりするからね」と憎まれ口を叩きながらも、まんざらでもない様子。結局は、とても面倒見のよい先輩なのだ。

初日を終えた時点では谷口が一歩リードしているが、小平には、谷口との優勝争いになった場合には確固たる自信があるという。「そのときは、僕が勝ちますよ。師匠なんで!」。そういって、へへっと笑った。(兵庫県加東市/今岡涼太)

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