「東建ホームメイトカップ」2日目スコア
2018年 東建ホームメイトカップ
期間:04/12〜04/15 場所:東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)
熊本地震から2年 永野竜太郎は上位争いで故郷に勇気
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 2日目(13日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)
ツアー初勝利が期待される永野竜太郎が強風の中を「70」でまとめ、通算3アンダーの8位タイで予選ラウンドを通過した。2年前の4月14日に震災で甚大な被害を受けた熊本県益城町出身。故郷への思いを胸に秘めて上位で週末に進出した。
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神がかり的なショットが生まれたのは前半8番。左ドッグレッグのパー4で、1Wショットを右サイドのバンカーに入れた永野は、残り183ydの第2打で5Iを振り抜いた。「ちょっと右に出たかなと思った」というボールはグリーン右サイドのマウンドを伝ってカップイン。鮮やかなイーグルを決め、笑顔で天に手を掲げた。
今大会はキャディにかつて丸山茂樹、宮里優作らとコンビを組んだ杉澤伸章さんをスポット起用。絶好調とは言えない中でも丁寧にプレーしてスコアメークしている。最終18番で2m弱のパーパットを外したが「打ったところは完ぺきでしたよ。でもこの風の中、ラッキーもあったけれど、全体的には良かったんじゃないですかね」と感触をかみしめた。
2016年のこの大会。永野はトーナメント期間中に突如として“主役”のひとりになった。初日のラウンドを終えた夜、中学卒業まで育った家のそばが“震源地”になった。あの日を忘れられるはずがない。「もちろん頭にはあります」と目を伏せる。
熊本出身選手として、この2年は同い年の重永亜斗夢とともにツアーを通じた復興活動に参加してきた。熊本県のまとめによると、いまだ約3万8000人が仮設住宅などで避難生活を強いられている(3月末時点)。「(復興は)まだまだ、今からなんです。がれきの撤去などの整理がやっとできて、これからすべてが始まる。益城町に続く道も片側一車線だったところを拡張するらしい。これから動き出す感じなんです」と強調した。
ただ、「みんな暗くはないです」と未来はきっと明るいと信じている。連戦の合間に熊本市内の自宅に戻り、出向いた近隣のゴルフ場では「ジュニアもゴルフ場で会うけれど、みんな元気です」と感じることができる。週末の中部地方の天候は崩れる予定だが、それに動じる様子もない。「初日、2日目と変わらないですよ。いつもとも変わらない」と静かに意気込んだ。(三重県桑名市/桂川洋一)
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