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「充実感がありますね」時松隆光は憧れの選手と優勝争い

◇国内男子◇日本ツアー選手権森ビル杯 3日目(2日)◇宍戸ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇7384yd(パー71)

そのゴルフには一分の隙もないように見える。2週前に今季初優勝を飾った24歳の時松隆光が、1打差2位から出た3日目に5バーディ、1ボギーの「67」で通算12アンダーとし、首位に浮上。3日間のフェアウェイキープ率は1位、パーオン率は2位、平均パット数は5位と、安定感のあるゴルフで後続に3打差をつけ、メジャー初勝利に前進した。

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この日、同組で回ったのは、40歳の近藤智弘と38歳のキム・ヒョンソン(韓国)の二人。近藤に「時松くんは良いゴルフをしているので、崩れる要素はないと思う」と言わしめる圧巻のプレーだった。一方の時松にとって近藤は、子供のころ近所の芥屋GC(福岡県)に大会を見に行き、サインボールをもらった記憶が残っている唯一の選手だという。

「10歳のころですね。キャディさんがポンってボールをくれて、走ってクラブハウスまで行って『サインください!』と言って、もらいました。ああいう風になれたらいいという気持ちでした。いまロープの中で戦えていることに、すごい充実感がありますね」

あす逃げ切れば、今季2勝目。自身初のメジャー大会優勝となる。名誉だけでなく、5年シードに加えて、「全英オープン」出場権も獲得できる。

「まず5年間この職場にいられるというのが一番大きいです。それは目指したい」と時松は言う。一方で海外試合は「まだ早い。行っても結果が見えていますから…」と控えめだ。前週、全英行きを決めた仲良しで同学年の川村昌弘が「源ちゃん(時松)とイギリスに行けたらいいなぁ」と言ったと伝えても、「まじすか」と戸惑うばかり。それでも「もちろん出られるなら出ます。そこで分かった課題を日本に持ち帰って、またやりたいと思います」と続けた。

「緊張はすると思う」という最終日。コース内ではその緊張を感じさせない時松だが、記者会見後にクラブハウスで数人の記者たちと話していた際、向こうから近藤が歩いてきたときは焦ったようだ。

会見で語ったエピソードを近藤にぶつけたい記者たちの雰囲気を察知した時松は「何も言ってません。大丈夫です」と、両足をそろえて“最敬礼”。近藤が去った後に「だって、恥ずかしいじゃないですか」。ポツリと顔を赤らめた。(茨城県笠間市/今岡涼太)

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