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出水田大二郎の涙を止めた秋吉翔太の男泣き「なんで先輩が…」

◇国内男子◇RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 最終日(26日)◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡)◇7151yd(パー72)

自分が喜ぶより早く、うれし泣きをしてくれる兄貴分がいた。ツアー初優勝を遂げた出水田大二郎が高校時代をともに過ごした今季2勝の秋吉翔太は、後輩の歓喜の瞬間にグリーンサイドで思わず涙した。

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最終18番、ウィニングパットを沈めてガッツポーズを作った出水田は、スコア提出所に向かう間に大笑いした。「なんで先輩が泣いてるんですか!」。鹿児島・樟南高時代、寮では同部屋、自分を“使いっぱしり”にしていた2学年上の秋吉が、顔をくちゃくちゃにしている。「ウルっとは来たんですけど…先輩が泣いていたので…」。出かけた涙は引っ込んだ。

秋吉はこの日、出水田との4打差を追ってスタートしたが、「71」と伸ばしきれず8アンダー17位タイでフィニッシュ。ホールアウト後は後輩の応援に徹した。18番(パー5)で3オンさせ、パーパットを打つ前には思いが込み上げてきたという。「まさか自分が初優勝した時(5月のミズノオープン)は泣かずに、後輩の優勝で泣くとは…」と照れ笑い。「それだけ大二郎のことが好きだし、自分のことのようにうれしい」と話した。

最近では同じ九州出身の大型選手同士、2014年の賞金王・小田孔明と行動をともにすることが多い。秋吉は出水田について、183㎝の恵まれた体格をしながら、ハートが弱い点を長く指摘してきたという。「ひとつボギーをたたくだけで、落ち込んでしまう。飛距離が出る大二郎なら、すぐにバーディを取り返すと思えばいいのに。マイナス思考だった」。だが、この最終日はバックナインで2つのボギーをたたいてリードを失った後、17番(パー3)でバーディを奪取。土壇場で成長した姿を見せつけた。

秋吉はこれまで出水田に散々、食事をご馳走してきただけに「来年の芥屋まで1年間おごってもらいます!」とニヤリ。しかし後輩は「いや、まだですね。あっちは(今季)2勝ですから」と、急に大きな背中を丸めていた。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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