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「面白くない」ゴルフで首位を死守 木下裕太に初優勝のチャンス

国内男子◇マイナビABC選手権 3日目(27日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7217yd(パー72)

飛躍のシーズンを送る32歳の木下裕太がツアー初優勝のチャンスをつかんだ。単独首位から5バーディ、4ボギーの「71」で通算12アンダーとし、リュー・ヒョヌ(韓国)に並ばれながらも首位の座をキープ。「1アンダーで回れれば100点」と耐えたゴルフに胸を張った。

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賞金ランキングの最上位は2017年の83位。今季は夏場から加速をつけ、「RIZAP KBCオーガスタ」で7位、「ISPSハンダマッチプレー選手権」ではノーシードから7位の好成績を収めた。さらに「トップ杯東海クラシック」でキャリア最高の6位として初シードを確定させ、現在の賞金ランクは30位につけている。

2日目までは「完璧だった」とノーボギーで予選ラウンドを通過。38ホール目となる前半2番を初めてのボギーとしたが、「逆にホッとした。風が吹いて難しいし、3つくらいはたたくだろう」と覚悟の上だった。「メチャクチャ弱い」というメンタル面がウィークポイントであることは、昔から自覚している。5年ほど前には“アイアンイップス”にも陥った。「後半は怖くて緩みっぱなし。アイアンがバラバラだった」。それでも、次々と襲いかかるピンチを乗り越えていった。

10番では、グリーン奥の深いティフトン芝から「ベストショット」という7ydのアプローチをピンに寄せてパーセーブ。12番(パー3)ではグリーン右の深いラフから脱出に2打を要してダブルボギーを覚悟したが、3打目をピンに寄せてボギーにとどめた。

首位と1打差で追う最終18番(パー5)では、1打目を左バンカーに入れたが、池を挟んだ217yd先にあるピンを果敢に狙った。「逃げずに腹をくくった。刻んでボギーだったら、あしたに響くと思ったから」。5Wで打った2打目をグリーン左のエッジまで運び、1.5mに寄せてバーディで締めくくった。

自分のプレースタイルについて「ずっとパーをとり、パー5だけ振りちぎってバーディを獲る。固くやるので、見ていても面白くないと思う」と評す。僅差で優勝を争うライバルたちにとって、そんな堅実なプレースタイルは一番の脅威になるはずだ。(兵庫県加東市/塚田達也)

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