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薄氷の予選通過 松山英樹の“ここ一番”の強さ

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 2日目(16日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7027yd(パー71)

松山英樹が薄氷を踏む思いで予選通過を果たした。1オーバー56位タイから4バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算1アンダーの33位タイに巻き返し。ショット、パットともに不満の内容で、午後は厳しい雨にもさらされながら最低限のハードルを越えた。

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“誤球騒動”から一夜明けたこの日、松山はスタートホールのティグラウンドで星野陸也とボールを念入りに確認して笑いあった。再び和やかムードになった石川遼との3サム。1番で1Wショットを右の林に打ち込みながらパーを拾った松山には挽回の期待がかかったが、その後はグリーン周りで何度もため息が聞こえた。

4番(パー5)で1mを外してボギーを先行。続く5番は1.5mのバウンスバックのチャンスを外した。6番(パー3)は3パットボギー。予選カットラインは「最初から意識していた」という。「(通算)3オーバーまで行ったので、落ちるんだろうな…と思っていた。(自分のゴルフの)状態が状態なのであきらめも入っていた」

6番(パー3)のボギーで予選通過には2打足りない状況。そこから世界のトップ選手の地力を見せた。7番(パー5)で第2打をグリーン手前のバンカーまで運んで初バーディ。雨が落ちたバックナイン、1Wで花道に落とした13番を手始めに3バーディを決めた。「うまく(スコアを)戻せたので良かった。もっと崩れてもおかしくない感じも、伸ばせたという感じもある。今できる範囲の精一杯じゃないかなと思います」と不本意ながらうなずいた。

大会への出場はアマチュア時代も含めて今年で7回目。33位での予選通過は自身のワースト記録になった。「カットラインを意識してやるゴルフはイヤ。日本でやる時はいつも上でやりたい。それができないのがもどかしい」とこぼす。加えて「陸也も遼もあまり良い感じじゃなかった。僕が逆に足を引っ張ったかな」と同伴競技者を気遣ったが、そのしぶとさを肌で感じたのも彼らに他ならない。

「英樹の底力というか…」と同じスコアで終えた石川が言った。「“ここ一番”という場面は最終ホールだけじゃなく、中盤にも訪れる。“ここ”というところでビタっとつけたり、決めてきたりする。すごく流れが悪くなりかけたときにグッと上がってくる、ズルズルいかないのがすごすぎる。俺だったら、ズルズル行くのに…」

トップとの差は7ストローク。3日目のビッグスコアが欠かせない状況になった。「あした、天気がいいことを祈ります」と松山。4日間の“ここ一番”は、あすのムービングデーになる。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)

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