B.ジョーンズが逆転でツアー15勝目 小田孔明は3位
2019年 東建ホームメイトカップ
期間:04/18〜04/21 場所:東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)
オーガスタの夜に決意 今平周吾が求めた飛距離
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 最終日(21日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)
「俺、やっぱり飛距離を伸ばさないといけないと思うんです」
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特別推薦で初出場した海外メジャー「マスターズ」(オーガスタナショナルGC)で予選落ちした12日(金)の夜、宿舎でケアを受ける今平周吾は、神妙な面持ちで昨年から契約している渡辺研太トレーナーに切り出した。
「やっぱり体重を増やしたいです…。どうでしょう」
これまでも同年代の渡辺トレーナーと体重増加に臨んできた。今オフのグアム合宿では身長165cmながら過去最高の体重69kgになった。飛距離向上が目的ではなかったが、「動きが、鈍くなる感じ」。シーズン中の64、5kgからの変化に違和感があった。慣れた体重でシャープに振る方が良いのでは、と考えも揺れていた。
昨季国内ツアーの平均飛距離は全体32位の287.09yd。今季の米ツアーの同スタッツに入れると全体160位。今年出場した米ツアー「ソニーオープン」(1月)、「WGCメキシコ選手権」(2月)は、地面の硬さや標高で飛距離差をさほど気にしなかった。「正確性で勝負する」。昨季国内賞金王は再現性の高いスイングや安定感こそ強みと自負していた。
しかし、オーガスタでの衝撃は、カットラインに3打差という数字以上だった。
「んー、なんというか、本当にまったく通用しなかったんです。結果だけじゃない。かりに決勝に残っても、同じことを感じたと思う」。広いフェアウェイに海外選手は1Wを強振。コースはランが出にくく、キャリーで飛ばすしかない。2打目にUTを持つと、前方にいる同組選手は9Iを手にしていた。
「確かにオーガスタでは(活躍を)諦めれば良いというのもあるけど、アメリカでコンスタントに結果を残せるようになるには、やっぱりもう少し飛ばさないと厳しいなって思う」
小柄な今平は自身のスイングを「イメージを変えたりするからちょっとずつ違う」と説明するが、ほぼ一定のリズムで同じような軌道だ。スイングは左手の甲の、ある一点を意識し、そこだけを振り下ろすイメージだという。正確性を重要視し、クラブは短く持つ。
今週の開幕前日、「1年で10yd、できれば15yd伸ばしたい」と述べた。実際3日目まで「普段から振らないと海外でいきなり振れない」と曲がりを恐れず1Wを強振しフェアウェイキープ率は結局48.21%。「正直、試している感じもある」。最終日は1Wを新たなプロトタイプに替え、イメージを変えた。
簡単に導き出せた、飛距離を求めるという答えではないからこそ、周囲の声も聞いてみたかった。
今週の練習場、片山晋呉に「周吾、高い球を打ちたいんだって?俺はそれでUTを入れたんだよ」と声をかけられた。2009年マスターズで4位になった先輩がセッティングなどを教えてくれた。かつて米ツアーを主戦場にし、ラウンドレポーターで会場にいた田中秀道には意見を自ら聞きに行った。シャイな26歳には珍しい光景だったが、今平は「同じくらいの身長の方で、海外でやられていた。どちらかというと、反対の意見でした」と明かした。
スイング改造は一切せず、渡辺トレーナーは「トレーニングの最大の目的はケガをしない体作り。その上で距離を上げられるように下半身を中心に鍛えよう」。今週からサプリメントをとり、今週は試合後にもトレーニングを行っている。
今平は「僕はこの身長。1ydずつというか、ちょっとずつ伸ばしていく。飛距離を上げるという目的は変えていない。ただその期間や、クラブ調整するなど、方法は考えていきたい」と話した。目標にたどり着く時間やその手段は、たくさんあるはずだ。(三重県桑名市/林洋平)