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2024年 LIVゴルフ・チームチャンピオンシップ・ダラス
期間:09/20〜09/22 場所:マリドーGC(テキサス州)
「シーズン最終戦で今年イチの戦いができた」香妻陣一朗のLIVゴルフ通信 @DALLAS
◇LIVゴルフリーグ◇チームチャンピオンシップ・ダラス◇マリドーGC(テキサス州)◇7535yd(パー72)
LIVゴルフリーグに今季シード選手で出場した香妻陣一朗。チームメートから「JINI(ジーニー)」の愛称で呼ばれる彼が、世界のトップ選手が集うLIVの雰囲気や、舞台裏、そして自身の所属チーム「アイアンヘッズ」の内輪話といった現地情報をお届けします。今回が最終回で、9月下旬に行われた団体戦のみのシーズン最終戦の地ダラスから。
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最終戦の「チームチャンピオンシップ」を振り返りたいと思います。僕はこれまでストロークプレーのチーム戦は経験がありましたが、マッチプレーでは初めて。ストロークだと手ごわいトップ選手でも、マッチプレーなら勝つチャンスはありますからね。いつもの試合以上に気合が入っていました。
試合のフォーマットは、全13チームのうち、初日に直近大会「シカゴ」までのランキング下位10チームがシングルス2試合&ダブルス1試合で対戦し、5チームが勝ち残ります。翌日の準決勝は、その5チームとランキング上位のシード3チームを加えた8チームが、同じフォーマットで対戦。最終日は勝ち残った4チームがストローク戦を行い、合計スコアで順位を決めます。
我々「アイアンヘッズ」は13チーム中の最下位で大会に入りました。それでもマッチプレーということもあり、「今までずっと悪かったから最後の試合ぐらい頑張ろうぜ」と、みんなのモチベーションは高かったです。個人的にも調子が良く、キャプテンのケビン・ナには「シングルスを戦わせてくれ」と頼みました。ランク4位の「スマッシュGC」との初戦で、相手キャプテンのブルックス・ケプカと戦うことを直訴したんです。結局願いは叶わなかったけど、日本ツアーでもおなじみのスコット・ビンセント(ジンバブエ)と組んでダブルスを戦い、延長1ホールの末に勝利しました。ダニー・リー(ニュージーランド)も勝って2勝1敗、格上相手を打ち負かしました。
最終18番のパットは約4mのスライスライン。決めればプレーオフ、外せば敗退。パットの調子が良かったから「なんかいけそう」って自信がありました。真ん中から沈めたら、それはもうみんな蜂の巣をつついたような大騒ぎに。そんな仲間の姿に自分も興奮して、さらにギアが上がりました。エキストラホールでも約7mのパットも、いいゾーンに入ったまま沈めることができて。チームメート、相手チーム、ギャラリーの全員が見ていたし、すごく緊張したんですけど、その緊張感がプラスになりましたね。めちゃくちゃ気持ち良くて、最後の2つのパッティングは、ことし一番のハイライトになったかなと思っています。まだシーズン終わってないですけどね(笑)。
勢いに乗って迎えた2日目はランク1位の第1シード「クラッシャーズGC」が相手。今度はケビンとペアを組みました。結果的に相手が自滅する感じで、3&1。さらにシングルスのダニー、スコットも勝って、3対0で決勝へ。ダニーが絶好調だったのも、チームにとって大きかったです。
最下位だった僕らの連日の大金星に現地は大盛り上がり。「このまま優勝しちゃんじゃない?」って雰囲気がありました。ストロークプレーの最終日、個人的にはチーム最少スコアの3アンダーで頑張ったけど、1位になった「リッパーズGC」に3打届かず、2位。それでもチームで約10億円、個人で約1億円も稼げて、僕にはことし一番稼いだ試合になりました。最終日もいいゴルフができたし、自分がチームの力になれたことが本当にうれしかったです。
試合後は初のシャンパンファイト。優勝して水をかけられることはあっても、ゴルフでシャンパンのかけ合いはなかなかないです。めちゃくちゃ気持ち良かったっス。すぐに帰国しなきゃいけなくて、シャンパンで濡れたシャツをそのままパッキングして空港に向かいました。3日後、荷物を開けたら、シャツにカビが生えていました(笑)。
初のLIVのシーズンは、チームとしてはいい形で終われたものの、個人的にはポイントランキング45位、トレードか放出対象となるオープンゾーン(25~48位)でした。来年については現状不透明です。各チームのキャプテンから声がかかれば残れるんですけど、ケビンからは事前に「韓国チームを作りたい」と言われていたから、アイアンヘッズに残るのは現実的に厳しいでしょうね。他チームからの誘いも今のところない。来年のLIVに出場するには昨年同様にQTを突破するか、LIVのシードが得られるアジアンツアーのインターナショナルシリーズでランクトップを目指すかになります。どちらも険しい道のりですが、僕はやっぱりあの舞台に戻りたい。
一年戦ってきて、終盤戦でようやく慣れてきて、あのすごいメンツの中でも浮足立つことがなくなりましたから。なんかこう、「いけそうだな」って雰囲気をつかんだところで終わった感じ。ですから、来年もう一回あの舞台でって気持ちが強いです。日本チームを作りたいという話も出ていたので、ぜひともそのチームの一員として戦ってみたいですね。