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ラウンド後の日課を中止 渋野日向子のささやかな判断に見えるもの

◇国内女子◇北海道meijiカップ 初日(9日)◇札幌国際CC島松コース(北海道)◇6531yd(パー72)

2アンダー11位で発進した渋野日向子は記者会見を終えると、ホールアウト後の日課とするパッティングのドリルを行わず、宿泊先に向かう車に乗り込んだ。

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「頭が痛くて、朝起きたら喉が痛かった」。絶え間ないメディア対応、渋野シフトとも言える大会運営、激増したファンの期待の大きさ…。日本人42年ぶりのメジャー制覇を遂げる前と後で、20歳を取り巻く状況は一変した。

小雨が降り、取り囲んだギャラリーからは「本物だ…」とのつぶやきがもれる中、体調不良をおして初日をスタートした。ハーフターンのインターバルでは「ちょっとしんどかったので」とロッカールームで30分間の昼寝をした。

それでも18ホールを終えて、オーバーパーをたたいていない連続ラウンド数を「23」に伸ばした。「あんなにたくさんの人に『ナイスバーディ』と言ってもらえたのはうれしかった」と笑顔を見せ、メジャー覇者のゴルフを見たいギャラリーの声援に応えた。

渋野人気で、大会の前売り券は前年の2.1倍売れた。ホールアウト後に行ったチャリティーフォトの競争率は約25倍(10/249)。次に多かった三浦桃香の約9倍(10/93)を大きく引き離した。

普段の注目組の警備人員は5人だが、凱旋試合となった渋野の組にはこの日、「ギャラリーの安全確保やスムーズなプレーの進行のため」(主催者)10人がついた。仮設トイレは10棟増設され、ギャラリーバスは1日3台増便された。

「この試合が大事なのは大事だが、体調を悪化させるのは良くないので」。日ごろのルーティンを中止するというささやかな判断だったが、そこにも「シンデレラ」が向き合いつつある新たな現実の一断片が垣間見えた。(北海道北広島市/玉木充)

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