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コロナ禍で“脳内練習” 申ジエが史上最速で生涯10億円突破

◇国内女子◇富士通レディース 最終日(18日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6659yd(パー72)

「こんなに早く勝てるとは思わなかった」という申ジエ本人の言葉とは裏腹に、そのプレーは頭一つ抜けていた。悪コンディションをショートゲームでしのいだ2日目。勝負どころを見極めて、ここぞという場面で仕掛けた最終日。ツアー通算25勝目はアン・ソンジュ(韓国)の226試合を抜く、最短207試合目での生涯獲得10億円突破となった。

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コロナ禍でプレー機会が少なくなった今年。滞在していた母国の韓国で5月中旬に右手首、6月初めには左ひじの手術を受けたという。「去年は大会を続けてケアをしながらやってきたけど、今年は大会に出なくて動くことが少なくなって、ケガが悪くなったような感じだった」と腱(けん)をクリーニングする手当てをした。

「韓国で2試合に出たけど、医者にあまり無理すると良くないと言われたので、その後は8月末までクラブを握りませんでした」と頭の中で“練習”した。「イメージだけしかできない日が長かったです」と思い出して目を細めた。

1打差2位から出た最終日は、前半で首位に並んだ。8番(パー3)は200ydを5Wで3mにつけたバーディにガッツポーズ。10番(パー5)もバーディとしてリードを広げた。

同組のペ・ソンウ(韓国)と2打差で迎えた16番(パー5)。齋藤優希キャディに「18番は何があるか分からないので、2打差で行きたい」と告げ、ペのバーディを見越し、2打目を3Wで果敢にグリーン奥まで運んで15ydのアプローチを1mにピタリ。宣言通りのバーディとした。

「今週はグリーンを狙うのが厳しいホールが多かったです。そこは安全にアプローチでパーセーブして、バーディよりナイスパーがいっぱいあった。それが優勝できた要因だと思う」と申は言う。「ギャラリーがいなくて優勝したのは初めてで寂しかったけど、ファンの皆さんの声を聞きたい気持ちで最後まで頑張りました。きのうも天気が悪かったので、精神力が強くなる感じでした」と続けた。

生涯獲得賞金は最速で10億円を突破したが「ここまでたくさん稼げたのは、試合を開催してくれるスポンサーさんがあったからこそ。感謝しています」とさらりと即答。この日、優勝を争った若手たちがその技術の高さを称賛したが、ツアーを戦う姿勢でも手本を示した。(千葉市緑区/今岡涼太)

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2020年 富士通レディース 2020



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