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パワーフェードで4度目テストに臨む「黄金世代」新真菜弥

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度プロテストは今年3月、1次が5会場でスタートする。未曽有の事態の中、多くの選手が「合格率3.3%」ともされる狭き門に挑む。彼女たちは何を思い、クラブを握ってきたのか? その素顔に迫る。

■高卒1年目「勢い」で渋野と同格

22歳、新真菜弥は「黄金世代」だ。渋野日向子と同じく17年プロテストで不合格となり、サードQT(予選会)では同じ会場でプレー。2人とも最終QTへの切符はつかめなかった。主戦場はステップアップツアーになり、新は3試合に出場した。

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「高校卒業して1年目は勢いでプレーしていて、怖いもの知らずでした。2年、3年になってくると、緊張やプレッシャーも入ってきて、いろいろ考えるようになりました。ミスショットをすると、次に無理をして悪循環にもなって、思うような結果を出せなくなりました」

渋野は18年に2度目のテストで合格し、19年シーズンから活躍し始めたが、新は18、19年、どちらも2次で落選した。19年のテスト後は、規則改定でJLPGAの会員でなければ、QTを受けられなくなった(合格ラインから2打差以内なら1次QTに出場できる措置が取られた)。

20年のテストはコロナ禍で延期になり、足踏みは続いている。「テスト延期を聞いて『やりたかったのに』という思いの半面、『準備できる時間が増えてうれしい』という思いもありました。正直、自分の中ではカツカツの状態でしたから」。理由は、QT後から師事する谷川健コーチとの取り組みが、途中段階で不十分な状態だったからだという。

「そもそも私はドローヒッターでしたが、コーチとの出会いで球筋をパワーフェードに変えました。コーチの教えは『第1打は飛距離にこだわり、第2打から余裕を持つ』で、球筋が定まるのに1年ぐらいかかりました。ドライバーは最下点を過ぎてヒットさせることを心掛け、球がより強くなりましたが、ただ、当時はメンタル面に課題がありました」

■コーチの金言「人間性が結果を」を胸に

身長171㎝、ドライバー平均飛距離250yd、高弾道のアイアンショット…。新のプレーは、スケールの大きさを感じさせるが、昨年3月から参加する「DSPE」(ツアープロを目指す選手支援を目的にした団体)の月例競技会では、結果を出せずにいた。「練習ラウンドではいいのに、本番になるとボロボロという繰り返しでした」。だが、同10月(静岡・藤枝GC)は、本番前日の練習ラウンドからYouTube企画で同組選手とのマッチプレーが行われ、これが浮上へのきっかけになったという。

「やっと、『やり方が分かった』という感覚です。練習ラウンドから試合勘を持ってプレーすれば、本番でもいい結果になるんです」。同11月(栃木・西那須野CC)で2位、同12月(千葉・山田GC)では9位に入った。調子は上向きで、地元兵庫で調整しながら、今年3月に延期されたテストに臨む。4度目の挑戦。頭の中にあるのは、谷川コーチからの言葉だ。

「よく『人間性で結果は変わる』と言われます。なので、日々の生活からポジティブに考え、イライラしないように心がけています。そして、常にプロテストのことを考えるようにしています。ゴルフを始めてまだ12年ですし、これからも伸びると思っています。毎日練習をして、昨日と今日の自分は違っていたり、いろんな発見があるからゴルフは楽しいです」

かつて宮里藍さんは、父でコーチの優氏から「ゴルファーの前に人格者であれ」と指導されてきた。それに通じる教えを胸に、新は、「今度こそ」合格を目指す。

◆DSPE(Dead Solid Perfect Entertainment)
2020年3月、ツアーでの活躍を目指す女子ゴルファー30人を支援するプロジェクトとしてスタート。2020年からプロテスト未合格者は、レギュラーツアー、ステップアップツアーに出場できなくなった状況下、テスト合格を目指す選手たちに、月例競技会(年12試合)を実施している。練習に打ち込むメンバーの模様は、DSPE公式サイトなどで発信している。

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