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23歳西山沙也香 プロテスト合格のカギは「ピンポンダッシュ」?

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度プロテスト第1次予選が3月10日開幕の三重など5会場でスタートする。未曽有の事態の中、多くの選手が合格率「3.3%」ともされる狭き門に挑む。彼女たちは何を思い、クラブを握ってきたのか? その素顔に迫る。

■コーチに師事…球を高くするために

23歳の西山沙也香にとって、5度目の挑戦が迫ってきた。コロナ禍で延期になっていた20年度プロテスト1次は、今月17日からのA地区(福島・五浦CC)を選択。余裕を持っての通過を目指し、昨年9月から井上透コーチに師事してきた。「お会いして、最初に指摘されたのは、『球が全体的に低い』でした。確かにドローが強めで低いので、グリーン上で球が止まりにくいのが、悩みではありました」

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同コーチから伝授された「球を高く上げる方法」のポイントは、「インパクトからフィニッシュまでのスピードを速くすること」だった。「スイングの形は変えず、瞬発力を使って速く振れるようにするということですが、ダウンスイングをして、下半身の回転で素早く体重移動をするピンポンダッシュ(呼び鈴を鳴らして逃げる)のイメージと言われています。私はゆっくりなリズムで振る方でしたが、練習を重ねて、だんだんと速く振り切れるようになりました」

9歳の時、父親に付いて練習場に行ったことをきっかけに、クラブを握った。コーチは父で厳しく指導されたといい、「中学でも部活に入らず、帰宅して練習する日々でした。成績がいい方でもなかったので、なかなか辛い日々でプロになることは想像もしていませんでした」。その気持ちに変化が生じたのは高2の秋、「大王製紙エリエールレディス」でJLPGAツアー初出場を果たしてからだ。

「夏に行われた予選会を突破できて、自分がロープの中でプレーしていることに感激しました。高校に入ってからは、父の知り合いのコーチから指導を受けていたのですが、当日はキャディバッグをかついでくれ、心強かったです。スコアは通算7オーバー(84位)で予選落ちでしたが、2日間とも最終ホールでバーディを取って、ギャラリーの方々から『ナイス!』と言っていただいたことで、『プロになってここに戻ってきたい』と強く思いました」

■テスト挑戦に期限…「25歳までと決めて」

高校卒業後からテストを受けてきたが、厚い壁に跳ね返され続けている。16、17年は1次で、18年は2次で、19年は再び1次で不通過。その一方で、ツアーでは「黄金世代」「ミレニアム世代」ら多くの年下選手が活躍している。「『自分も負けないように早く合格しなければ』という思いがあります。そうしないと、ツアーで活躍できる期間が短くなってしまうと思うので」

プロテストの合格者は最終テスト20位タイまで。昨年3月から参加している「DSPE」(ツアーでの活躍を目指す女子ゴルファーを支援する団体)月例競技会の出場を重ねてきた中で、冷静に現実を見てもいる。「第一にこの挑戦にはお金がかかりますし、両親からの支援なしではやっていけません。ですので、自分の中で期限は25歳までと決めています。今年、来年もダメなら、別の職業を選択することになると思います。ゴルフには携わっていきたいですけど…」

今年のプロテストは20年度と21年度、2回の実施が予定され、言葉通りなら、西山のチャンスはあと3回。テレビ番組「ゴルフ3キングダム女子No.1チーム決定戦」(BS-TBS)で優勝に貢献するなど勝負強さも武器に、1次テストから一打に集中する。

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