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圧巻のトーナメントレコード 山下美夢有が初Vでうれし泣き

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 最終日(18日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6501yd(パー72)

平均スコア「72.9」の最終日に、ベストスコアとなる6アンダー「66」。19歳・山下美夢有がトーナメントレコードとなる通算14アンダーで、2位に5打差をつけてツアー初優勝を達成した。

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首位を2打差で追ってスタートしたが、伸び悩む最終組とは対照的に序盤2番、4番(パー5)とバーディを先行させて、すぐにトップに踊り出た。その後も6番、9番(パー5)とバーディを重ねてハーフターン。10番でこの日唯一のボギーをたたいたが、その後に3バーディを取り返して、危なげなくゴールテープを駆け抜けた。

「リズム良くプレーすることだけ考えていた」と、13番ホールで見たリーダーボードの一番上に自分の名前があっても、気持ちを乱されることはない。2週間前の「ヤマハレディースオープン葛城」では、3日間首位を守りながら、最終日に逆転されて2位に終わった。「あのときは追われる立場だったし、初めての優勝争いで緊張もあった」と振り返るが、「今日はパッティングも良かったので、本当に良いプレーができたと思う」と大きな瞳を輝かせた。

昨年8月に購入した弾道測定器「トラックマン」で、苦手だったショートゲームを強化してきた。この日、4つあるパー5のうち3つは、89ydを1m、101ydを2m、100ydを3mにつけてバーディとした。最終18番(パー5)こそバーディを獲り損ねたが、それでも2m以内のバーディチャンスにピタリとつけて、最後は危なげなくタップインで締めくくった。

最終組の一組前だったため、勝利を確信できずにウィニングパットのリアクションは軽く帽子のつばを触った程度だが、「優勝できると思っていなかったので、うれしいです」。優勝インタビューの途中には涙が頬を伝った。

「たくさんの人に支えられて、応援もしていただいて…。そういう思いもあって、うれしくて泣いてしまいました」

今オフの3日間の合宿でともに過ごした男子の中嶋常幸プロからは、葛城での惜敗後に連絡が来た。小学生のとき、練習ラウンドでバンカーからホームランして、クラブをたたきつけると「自分のミスやろ。なんで他に当たるんや!」と父・勝臣さん(46歳)に叱責されたことは今でも忘れていない教え。美夢有という名前には、母・有貴さん(44歳)の一文字も入っている。

2019年プロテスト合格組で笹生優花西郷真央と同学年。2001年生まれのプロ最年少世代となる。ホールアウト後はグリーン横で西郷、西村優菜澁澤莉絵留らに祝福された。「目標だった優勝ができたので、2勝目、3勝目としていきたいです」という山下。身長150cmと小柄だが、けっして夢は小さくない。(熊本県菊陽町/今岡涼太)

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