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ゴルフ番組優勝でフォロワー急増 山本彩乃「プロテスト合格してチャンピオン大会に」

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度最終プロテストは6月に終了、通算4アンダー20位タイまでの22人が合格した。確率「約3.9%」の狭き門だったが、壁に阻まれた選手の大半は、8月から始まる21年度テストに向けて練習を重ねている。彼女たちは何を思い、チャレンジを続けるのか。その素顔に迫る。

■20年度テストは2次で不通過「優勝の自信が気の緩みに」

2000年生まれ、いわゆるミレニアム世代の山本彩乃は、7月に入ってインスタグラムのフォロワーを700人以上増やした。理由はゴルフ番組「ゴルフサバイバル 7月の陣」(BS日テレ)で初出場初優勝を飾ったからだ。「反響の大きさにビックリしています。たくさんの方から祝福のメッセージが届き、研修生でお世話になっている下関GGC(ゴールデンゴルフクラブ)のお客さんやスタッフの方にも、『すごいね』『良かったね』と言っていただきました。収録は5月でしたが、また、うれしくなってきました」

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ゴルフサバイバルは、出場選手10人が9ホールで競う番組。各ホールごとに最低スコアの選手が1人ずつ脱落していくルールで、ツアープロも参戦する中、山本は安定したプレーで頂点に立った。「特別に調子が良かったわけではないのですが、『序盤で落ちたくない』と思って、安全にプレーしていたら、最後まで残っていました。バーディなしで、最終ホールはボギーだったので少し悔しさもありましたが、賞金100万円はうれしかったし、何より自信になりました」

だが、その「自信」は、収録の2週間後に行われた20年度プロテスト2次予選で好材料にはならなかった。岡山会場の山陽GCで第1日に「75」で54位タイ、第2日は「77」を打ち75位タイに後退。第3日は雨天で中止になり、最終日は「69」で巻き返すも、通算5オーバーの46位タイで不合格となった。

「今思うと自信を持ったまま、2次に入ったことが気の緩みになり、第1日のスコアに出たと思います。1次に通った後、アイアンをカーボンシャフトからスチールシャフトのものに替えて、それがなかなかフィットせず、『ゴルフサバイバル』の収録前にカーボンに戻した経緯もあります。収録の時は、そこまで球は曲がらなかったのですが、スチールの感覚が残っているせいか、テストになって曲がったり、縦の距離が合わなくなったりで、第2日も立て直すことができませんでした」

アイアンを替えた理由は、最終プロテストを想定してのことだった。以前からカーボンシャフトでは「縦の距離」が合いにくいことに悩み、周囲に相談しても「スチールの方が合わせやすい」と同意されて決断した。だが、十分な試打を行わなかったことが、違和感につながっていた。「量販店で何球か打たせてはもらったのですが、コースで打たずに購入してしまいました。今思えば、お世話になっているクラブメーカーさんのフィッティングもちゃんと受けるべきでした…。テスト後は、前とは違う別のスチールシャフトにしてコースで打っています。これはいい感じです」

■「優勝」を境にさらに良くなった環境…「結果を出して恩返しを」

ゴルフは9歳で始めた。シングルプレーヤーの父親から「やるならプロを目指せ」と言われ、毎日ボールを打ち、坂道ダッシュなどのトレーニングも続けてきた。高校入学後は、理学療法士とトレーニングに取り組み、スイング作りもしてきた。そして、卒業後は同じ山口県宇部市出身でツアー1勝の広田悟プロから、コースマネジメントなどの指導を受けている。「今、お世話になっている下関GGCも悟さんからの紹介ですし、いい環境でゴルフをさせてもらっていると思っています。なので、両親、兄も含めて、お世話になっている方々に早く恩返しがしたいです」

ただ、プロテスト合格に向けた活動を継続するには、資金と「戦う場」が必要。その意味ではゴルフ番組で得た100万円は貴重で、この優勝をきっかけに「DSPE」(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)月例競技会への参加も決まったという。「友達の誘いを受けて番組に出ましたが、DSPEにも入ることができて、さらに環境が良くなりました。あとは本当に私が結果を出すだけです」

21年度テストの1次は、スケジュールの都合から香川会場の満濃ヒルズCC(8月18~20日)で受けることになり、2次は再び山陽GCでの受験を考えている。「私にとっての希望は、20年度2次テストの最終日、同じ山陽GCで『69』を出せていることです。今度こそ、1次、2次は余裕を持って通りたいです。そして、最終も通って、JLPGAの会員になって、『ゴルフサバイバル』のチャンピオン大会に出たいと思っています」

ドライバー平均飛距離240yd、復調したアイアンショット、「ほとんどカップをオーバーする」強気なパットも魅力。ゴルフ番組でファンを増やした21歳は、次こそ「合格」を勝ち取る決意だ。

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