<スコア>樋口久子 三菱電機レディス
2021年 樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント
期間:10/29〜10/31 場所:武蔵丘GC(埼玉)
もっと私を見て! 河本結は“負けん気”発揮
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 初日(29日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6550yd(パー72)
紺色のリボンを風に揺らし、久しぶりにハツラツとした笑顔が戻ってきた。3000人の上限に迫る2902人が来場した大会初日。5バーディ、2ボギーの3アンダー「69」とした河本結が、13戦ぶりのトップ10発進となる1打差3位で滑り出した。
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「やっと、ショットが自分の狙ったところに飛ぶようになってきた」という河本。秒速10m近い強風が吹いた難コンディションも「逆に球をイメージして打てた」と集中力を高める助けに変えた。
15番(パー3)は4UTで3mにつけてバーディ奪取。「右からのアゲンスト。短く持って、ちょっと右めに置いて、上からつぶす。カットで風に当てて、距離を落とすショットです。アメリカで必要とされる技術なので『できた!』ってうれしかった」と、この日のベストショットに挙げた。
今年5月に米ツアーからの撤退を決意した。その後は「持ち味のショットが悪くなって、不安になった。自分の意見も貫けなくなってキャディに聞くことも多くなり、自分の感覚でできなくなった」と成績も落ち込んだ。国内復帰後の16戦で最高位は16位。予選落ちも6度を数えた。
復調のきっかけとなったのは、目澤秀憲コーチにキャディバッグを担いでもらった3週前の「スタンレーレディス」からの2試合。「フェーダーなのに、ドローのアドレスでフェードを打とうとしていた」ことを指摘された。「スタンレー」は予選落ちに終わったが、「自分らしい、攻められるゴルフが帰ってきた。少し自分のゴルフを取り戻しました」とすぐに変化は現れた。「もっと私を見て!って思いましたね」と、松山英樹とともに「マスターズ」制覇を成し遂げた人気コーチに猛アピールした。
今月頭には男子下部ツアーで弟・力(日体大4年)がアマチュア優勝。「『(お姉ちゃんも)ちゃんとやってよ』みたいに言われた」とうれしさとともに負けん気を刺激された。「あれ、それは私が言ってたんだけどな…って思いましたね。『何よ』みたいに思いました」
シーズンは終盤に差し掛かるが、現時点では最終戦の出場はおろか、賞金シードも失いかねない位置にいる。「アメリカに行って、体調を崩してっていう言い訳はきかない。プロはやるときにはやらなきゃいけない。今週もそうだし、残り試合も勝ちにこだわってやっています」と黒い瞳の奥を光らせた。(埼玉県飯能市/今岡涼太)