2勝目も近い！？

◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 事前◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース（静岡県）◇6590Y（パー72）

1年前、3日目の第1打は今でもしっかり覚えている。2021年大会で、予選2日間を終えてトップに立ったのはルーキー山下美夢有。初めて迎えた最終組でのティオフは、どの1打よりも緊張した。

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「とりあえずフェアウェイに行って…！」と願ったティショットは、右に飛び出したがギリギリでフェアウェイ。今思い出しても笑ってしまうほど「余裕がなくて」と振り返る。最後まで解けない緊張の中でなんとかパープレー。首位を維持して最終日に臨んだが、最終日に「66」をマークした稲見萌寧に逆転を許して初優勝はかなわなかった。

プロアマ戦も慣れたもの。笑顔が絶えない

再びチャンスがめぐってきたのは2試合後。「KKT杯バンテリンレディス」の最終日、伸び悩む最終組とは対照的に「66」で回ってトーナメントレコードの通算14アンダーをマーク。首位との2打差を逆転し、2位に5打差をつける圧勝で初優勝を飾った。

追いかける立場だったとはいえ、「初優勝したときの方が（ヤマハよりも）緊張せずに回れました」と苦笑とともに振り返る。葛城で味わった悔しさと優勝争いの難しさは、確かにルーキーを一回り成長させてくれた。

初優勝を含めて昨シーズンのトップ10は16回。今季も開幕戦4位、前週は同期の西郷真央に競り負けたが単独2位に入っている。「久しぶりに優勝争いができて楽しかった。これを機に、残りの試合も全力で優勝を目指してやっていきたい」。初優勝への飛躍につなげた葛城で、悔しさをばねに2勝目へ突き進む。（静岡県袋井市／谷口愛純）