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「5年間頑張って優勝できていない」 イ・ボミ“引退”揺るがず

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 事前(28日)◇琉球GC(沖縄県)◇6560yd(パー72)

記者会見場に入って来たイ・ボミ(韓国)は着席すると「こんにちは。よろしくお願いします」と笑みを浮かべ、メディアからの質問を待ち構えた。前日の27日、2023年シーズン限りでの日本ツアー引退を所属事務所のプレスリリースで発表していた。

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国内女子ツアー開幕戦の会場となる沖縄・琉球GCのプレスルームには、20人以上の記者が集まった。引退発表の前後で気持ちに違いはあるか、との最初の質問に「正直、試合への緊張感がすごすぎて、もう引退することはあまり頭にはない」と打ち明けた。

旧知のベテラン記者が「優勝したらどうしますか?」と投げかける。「もっとうれしい形で終われるかな」と相好を崩しつつ、「でも、また優勝できるかもと思って5年間頑張ってきて、できてない。難しい」と冷静に続けた。

「賞金女王を2回獲った後の目標がなかった」。成績不振に陥った後の2018年ごろ、引退を考え始めたという。「成績が出ないのに楽しいとは思えなかった。応援してくれる家族やファンの喜んでくれる姿が好きだが、しんどい姿を見せるだけなのも気になった」と振り返った。

引退の決意を真っ先に伝えたのは、母親のファジャさんだった。「お母さんはもっと続けてほしかったみたいだけど、ずっとしんどいって(自分が)言い続けていたから、去年『やめてもいいんじゃない』って言ってくれた。もう一年やる、ってなった時も『やったらいいんじゃない?』って」

今季は永久シードを保持する韓国ツアーにも出場するが、「来年、再来年のことはまだ考えていない。分からないです」と率直に答えた。

「いつか、また試合に出たいなと思うだろうけど、でも出場する選手はみんな出るために努力している。ツアー選手は全部努力しないとダメ。ちょっと遊びに行こう、とはならないかな。試合に出るとなれば、時間はかかる」。覚悟を決めたラストシーズンに「頑張る姿だけを見せたいし、見てほしい」と真っすぐな視線を向けた。(沖縄県南城市/石井操)

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