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女子プロゴルファーの悩ましい出産事情 佐藤靖子「産んでよかった」

女子プロゴルファー有村智恵原江里菜が発起人で、30歳以上の女子プロゴルファーによる1日競技「KURE×LADY GO CUP ~Let's MOVE 30's~」が26日、茨城県の取手国際GCで開催された。

第2回大会の今年は40歳でツアー2勝の西山ゆかりと44歳の佐藤靖子が優勝を飾った。佐藤は女性アスリートとして思い悩んだ日々を表彰式で振り返り涙をこぼした。

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佐藤が第一子の妊娠に気付いたのは35歳のとき。2012年の予選会(QT)で4位に入ってレギュラーツアーに備える中での発覚は、出産を迷わせるほどの戸惑いを生んだ。

「当時はシードを持っている選手は産休制度を使えたけど、QTで上位に入った場合は産休制度をもらえなくて。やっぱり産んだら(競技を)やめなきゃいけない流れが昔はあった」

時代は変わり、シード選手のみならずQTやリランキングでプレーする選手にも産休が与えられるようになった。「いまは全員に産休制度を与える方向に変わってきた。もちろん、出産して子育てに専念したいとか、やめたい人もいると思うけど、あとの世代の子たちが“あきらめる”ことがないようにしたい。産んでも(プレー)出来るとか、いろんな、選べる道を作ってあげられたら」

13年に出産後は「7カ月ぐらい休んで」競技に復帰。21年の下部ステップアップツアー「ラシンク・ニンジニア/RKB レディース」でプロ初勝利を遂げた。当時42歳だった。

今大会に出場した24人の中には、妊娠、出産、子育てでツアーから離れた選手もいれば、一度は退いたものの第一線に戻ってきた選手もいる。20年前の国内女子ツアーシード選手の平均年齢は32.5歳だったのに対し、23年は26.6歳。年々、若返りが進む女子ツアーだが、一時競技からの離脱を求められる出産の不安はどの時代も変わらない。アスリートのみならず「働く女性」にはつきものだ。

今季からは数大会の会場で託児所が設置されることも日本女子プロゴルフ協会から発表された。「出産は望んで出来ることではない。授かったということは自分に出来ることがあるとか、命を大切にしないといけないと思って生んだけど、子供から教わることはいっぱいある。本当に産んで良かったと思う」

今大会の発案者のひとりである原は、「私自身、強い女性になりたい。このトーナメントはそんな風に思っている選手たちが、どこかの、誰かのロールモデルになれるよう、発信していく場になっていったらうれしい」と今後の発展に期待した。(編集部・石井操)

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