2人合わせてツアー58勝の“スーパータッグ”

◇国内女子◇富士通レディース 初日（11日）◇東急セブンハンドレッドクラブ（千葉）◇6697yd（パー72）◇晴れ（観衆2152人）

スタート前の練習グリーンで、不動裕理の名前が背中に書かれたポンチョを着た背の高い女性がいた。不動目当てのギャラリーが「今週は旦那さんじゃなく、ハウスキャディさんなんだ」。確かに不動のキャディは夫の湖中正泰氏が務めることが多い。ただ、今週はハウスキャディではない。

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ツアー通算8勝にして2002年に「日本女子オープン」「リコーカップ」と国内メジャー2冠の高又順（コウ・ウスン、韓国）。初タッグ結成の経緯を不動は「話はどっちから？ 私じゃないです。そんな発想ないです」と笑って否定。高たっての希望で実現したという。

マイペースなゴルフでパープレー

高はラインを読むわけでもなく、助言をするわけでもない。自分で歩測、クラブ選択などをさっさとジャッジし、流れるようにプレーする不動の邪魔をしないことを心がけた。「中身を極力軽くしました」と不動が言う軽量タイプのキャディバッグを担ぎ、数歩下がって歩いていく。60歳の大ベテランは12歳下の不動に“聞かれた時”だけに備え、ヤーデージブックを持って黙々と黒子に徹していた。

ツアー通算50勝で、14日に48歳になる不動は「私、誰がキャディでも一緒ですから」といつものようにマイペース。今季は6月「アース・モンダミンカップ」で2年1カ月ぶりのツアー予選通過を果たすなど、いまも熟練の技でファンをうならせる。この日は5番で3オン3パットのダブルボギーが残念だったものの、他は4バーディ、2ボギーのパープレー「72」にまとめた。

最終18番で不動裕理（左）のパットが外れ、リアクションする高又順

高は「前にもキャディさせてと言ったけど、その時は断られて」と笑いつつ、担ぎたかった理由を「やっぱり“女王のゴルフ”を間近で見たいでしょ？」と説明した。不動は2000年から6年連続賞金女王となったが、02年に高又順が賞金3位。「昔は不動のせいで8勝ぐらい損した」と冗談を言いつつ「でも、パットの音がちょっと昔と違う。時々ね。やっぱり体が変わってきてるからね」と話した。

初日を終えて、暫定カットラインまで2打。通算58勝タッグがまずは予選通過を目指す。（千葉市緑区／加藤裕一）