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「飛ばない、乗らない、入らない」日々から脱出へ 大会連覇に挑む菅沼菜々

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 事前(16日)◇マスターズGC(兵庫)◇6506yd(パー72)

昨年大会覇者の菅沼菜々の表情は明るかった。「先週、藤田さいきさんと回って、ティッショットの飛距離があまり変わらなくなっていて。すごくうれしかったです」。復調の足がかりとなる助言をくれた先輩プロの前で、変化を見せられて感謝の思いととともに心が少し軽くなった。

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プロ5年目の2022年に未勝利ながらメルセデスランキング8位と躍進し、昨季は今大会を含む2勝を挙げ、ランク11位。さらなる飛躍を狙った今季だったが、出場25試合でトップ10は1試合、予選落ち12回でランク70位とスランプに陥った。

部門別ランクを見ると、スコアメークの肝になるパーオン率は昨季の69.5847%(30位)から64.5108%(65位)に、平均パット数(パーオンホール)も1.7767(14位)から1.8376(66位)へ。「でも、平均パット数が悪いのも、ショットがピン近くについてないですし」。最大の問題は飛距離ダウン。ドライビングディスタンスは昨季の246.07yd(21位)から236.93yd(52位)と約10ydも落ちたことが「飛ばない、乗らない、入らない。ホントにつまんないシーズン」を招いた元凶だった。

好転のきっかけは、藤田の一言だったという。「8月に『少し体が動き過ぎじゃない?』と言われて」。そこを意識し始めて、イメージと結果がかみ合ってきたのが前週の「富士通レディース」。恩人とも言える先輩プロと予選2ラウンドを同組で回った。「アイアンも10ydぐらい距離が落ちていたのが、戻ってきて。調子が良かった時に近い状態でした」とやっと手応えを感じられるようになった。

のんびりしてはいられない。「悩んでいても『まあ大丈夫だろう』と思ってるうちに残り試合も少なくなった」。来季シードが確定する最終戦前の「大王製紙エリエールレディス」まで、残り5試合。ポイントランクを50位以内まで上げないと、3シーズン守ったシードを失う。

自称“アイドル系ゴルファー”のSNSには多くのファンが心配するコメントを寄せてきた。「私以上に私を知っているような方もいて。心配かけているし、恩返ししたいです」。V字回復で、シードキープへ。明るさを取り戻した菅沼が優勝争いを目指す。(兵庫県三木市/加藤裕一)

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