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全盛期のイ・ボミが今のツアーで戦ったらどうなる? 本人を直撃してみたら…

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 事前(16日)◇マスターズGC(兵庫)◇6506yd(パー72)

笹生優花が「全米女子オープン」、古江彩佳が「アムンディ エビアン選手権」で優勝するなど、今季のメジャー5大会全てで史上初めて日本女子がトップ10入りを果たした。その中には岩井明愛(2回)、竹田麗央山下美夢有小祝さくらという国内が主戦場のプロもいる。空前の活況を呈する日本女子ツアー。実際、レベルはどれほど上がってきたのか?

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1年前の今大会で現役引退し、大会アンバサダーを務めるイ・ボミ(韓国)に聞いてみた。2015、16年女王当時のアナタが、今の日本で戦ったらどんなもんでしょう――。

「正直、今年は日本ツアーを見ていないので、よく分からなくて…」と断った上で、一昔前との違いを語ってくれた。

「15、16年は私も飛んでいたし、パーオン率も高かったと思う。でも、その後は飛ばなくなった訳じゃないのに、セカンドで持つクラブがユーティリティとか長くなって」。当然、チャンスにつける頻度は落ちる。「バーディが減るから、とてもしんどくて、見てる人にも悪くて。それぐらいから『私の好きなゴルフじゃない。面白くない』と思うようになった」

スタッツにドライビングディスタンスが加わったのは連続女王戴冠翌年の2017年。同年の数値は236.63ydで38位だったが、今季の38位は河本結の241.73ydで約5yd違う。また、ツアー全体のコースヤーデージが伸びたことで、“長いコースで以前より飛ぶようになったプロ”が戦うフィールドに変化した。

「ショットメーカー」だった彼女のパーオン率は2015年が74.5880%で1位だったが、そのデータを1位の竹田が76.4791%の今季に当てはめると、3位相当。これはさして悪くないが、本人が「うわっ、少ない!」とガックリしたのが平均バーディ数。16年の自分の3.6067個が、竹田が4.2727個で1位の今季では9位相当になる。

先週には韓国で、今季の「シェブロン選手権」を最後に引退したメジャー2勝のユ・ソヨンと会って話をしたそうだ。「ソヨンは “若い子はパットが上手”と言っていて、私もそれを感じていました」。ユ・ソヨンの見解は米ツアーのものだが、日本の現状とかぶるという。「飛距離は道具の進化もある。方向性も昔の方がブレていたから。でも、パットが何で上手になってるのかはちょっと分からない。私が昔1、2mを入れていた感じで、今の子は5、6mを入れちゃうんですよね」

選手層の違いにも言及した。「私の時(女王戴冠時)は(主なライバルが)15年は(賞金ランク2位の)テレサ(・ルー)、16年は(申)ジエ、りっちゃん(笠りつ子)ぐらいだったけど、今は相手がいっぱい」

イ・ボミが今の日本ツアーに抱くイメージをまとめると「飛んでパットが上手でバーディをたくさん取る選手がいっぱいいる」という感じ。そこに全盛期の自分を当てはめたら…かなり厳しい戦いになることは否定しなかった。

今週、大会期間中は様々な場所でギャラリーとの時間を楽しむ。「みなさん、コースに来て、私を見つけてください」と笑顔でサービスを誓ったが、自身の楽しみの一つは日本ツアーの現状を見ること。「なんで麗央ちゃんがたくさん勝ってるのか? 山下さんがどんなプレーをしてるのか」と興味津々の様子だった。(兵庫県三木市/加藤裕一)

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