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「大嫌い」な筋トレ導入で24時間営業ジム通い イ・ミニョンが今季初の“30代優勝”

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日(20日)◇マスターズGC(兵庫)◇6506yd(パー72)◇曇り(観衆5559人)

しびれまくっていた。最終18番グリーンで、2.5mのパーパットを前にイ・ミニョン(韓国)は2、3度仕切り直した。「入ったら勝ち。外したら2位。外す流れじゃプレーオフも勝てない」。意を決し、カップ左端を狙ったストロークで微妙なスライスラインを無事沈めた。

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2022年8月「北海道meijiカップ」以来、約2年2カ月ぶりの7勝目は大変だった。雨模様の前日から一夜明け、コースコンディションは一変した。5m/秒超の北風が吹いた。「数が強いと“強い球を打たなくちゃ”と思って、スイングのリズムが速くなる。だから“ゆっくり、ゆっくり”と。それがうまくできました」。25度以上あった気温が正午時点で17.1度へ。ただ、そんな冷え込みは問題なし。暑がりで「11月いっぱいまでは半袖」と笑う32歳は「じっとしてたら寒いけど、動いてるし、緊張感もあるから大丈夫。ちょうどエアコンみたいだった」とむしろ快適にプレーを続けた。

神がかったショットもあった。1打リードの通算14アンダーで迎えた16番。2打目をピンサイドの大きく落ち込んだラフに外した。約20ydのロブショットはエッジに届かず、ほぼ元の位置まで戻ってきた。「ああ、優勝(争い)は終わった」と、打ち直しのような弾道の4打目がエッジぎりぎりにキャリーした。諦め顔で歩き出した瞬間、ボールが3yd先のカップにジャストタッチで消えた。ミラクル・パーにビックリしたような笑みを浮かべた。

「もう何とかダボでと思っていたし“ウソでしょ?”って…。昨日もチップインとかラッキーが多かったし。これから先、いっぱいいいことをして、神様に恩返ししなきゃ」

そんな幸運も、やることをやっているからこそ訪れる。今季夏前からドライバーをはじめすべてのクラブに飛距離ダウンを感じていた。「周りがウェッジで打ってるのに、6番アイアンの時もあった」。あまりの状況に「大嫌い」と公言する筋トレに取り組もうと24時間営業のジム「エニタイムフィットネス」に会員登録し、毎週月曜に通うようにした。

今季国内ツアーでは32戦目にして、ツアーメンバーでは初の30代優勝者になった。「もし勝ったらそうだと、昨日聞きました。私も最近、パワーが落ちていたし、この優勝で周りの(30代の)みんなが明るくなってくれたらうれしいです」。まだジム通いの成果は出ていないという32歳は、これから週3、4回を目標に筋力アップに励んでいく。(兵庫県三木市/加藤裕一)

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