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5シーズンぶりシード復帰へ 34歳・木戸愛が今季最高7位でランク50位に浮上

◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日(20日)◇マスターズGC(兵庫)◇6506yd(パー72)◇曇り(観衆5559人)

木戸愛は「この悔しさを、また来週に生かしたいです」と話した。サンデーバックナインで一時は首位と1打差に迫りながら7位タイ。ツアー初優勝の12年「サマンサタバサレディス」以来「12年90日」ぶりのツアー最長ブランクVには届かなったが、5シーズンぶりのシード復帰に向けて、メルセデスランキングは54位から、シード獲得ボーダーの50位に浮上。「そういう意味でもベストは尽くせたと思います」と一日を振り返った。

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プロ17年目の34歳は昨年末、千葉にある“ジャンボ邸”に男子プロの尾崎将司を訪ねた。快く受け入れてくれたレジェンドは「結果より、今、自分がやるべきこと、スイングとか“1つのこと”をしっかりやりなさい」と言ってくれた。ジャンボ門下生の“名物”でもある素振り棒を振り、オフは週5日、シーズンイン後も毎週月曜日には極力、足を運んだ。

ひたむきさを感じさせる最終日だった。首位と3打差を追ってバーディ発進後、2、3番で連続3パットを喫し、5、6番で連続バーディ。9番でラフを渡り歩き、3オン3パットのダブルボギーを打って万事休すと思われたが、10番で4mを沈め、11番は約30ydのチップインで再びスコアを戻した。上がり2連続ボギーで力尽きたものの、ファンを十分にわかせた「73」だった。

デビュー後しばらくは「プロレスラーの娘」が枕詞だった。昨年12月11日、73歳で他界した木戸修さん。メーンイベンターではなかった。見栄えのする派手なフィニッシュホールドは使わず、きっちり整髪し、黒のショートタイツ姿で基本技を軸に試合を組み立てた。目立たないが、いなければ困る職人肌のスタイルで、アントニオ猪木さんが率いた新日本プロレスなどを中心に33年間の現役生活を全うした。

木戸の実直な人柄、プレースタイルは、プロフェッショナルだった父に色濃い影響を受けているのかもしれない。「最後まで緊張感をもってできたのは大きいです。ジャンボさんがおっしゃった言葉はすごく大事にしていますし、今日はそれをやり切れたかなと思います」。今大会で生涯獲得賞金3億円を突破した。達成者は102人目と多数いる。しかし、通算475試合目での到達は、1988年ツアー制施行後のプロテスト合格者では西田智慧子の408試合を上回った。最も遅い歩みが、努力家の木戸にはよく似合う。(兵庫県三木市/加藤裕一)

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