「トップ10で終われたら」からの… 高橋彩華“ビックリ”劇的イーグルで逆転V
◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 最終日(5日)◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡)◇6510yd(パー72)◇晴れ(観衆3091人)
優勝を決定づけたのは、本人も驚く一打だった。高橋彩華が18番(パー5)で残り90ydから放った54度のウェッジショットは、ピン奥2mに着弾すると強いバックスピンで戻り、そのままカップに吸い込まれた。本人も「ビックリ」の劇的イーグルに、思わず飛び跳ねて喜んだ。
「最後バーディを取ってトップ10で終われたらいいね」。キャディとそんな会話を交わして迎えた最終ホールだった。17番終了時点で確認したリーダーボードはトップと4打差の10位。それが一打で流れを引き寄せた。スコアが目まぐるしく動く中「(18番の)グリーンに上がってボールを取って振り返ったら1位になっていて…」と本人も状況をのみ込めないまま、プレーオフへと突入した。
プレーオフは2019年(ニチレイレディス)と22年(ほけんの窓口レディース)に2度経験しているが、ともに敗戦。「きょうに関しては勝っても負けても調子はあまり良くなかったので、ここまで来られただけですごいな」と振り返るように、状態は万全ではなかった。
開幕前から原因不明の体調不良に悩まされていた。「頭痛がすごすぎて、ご飯も食べられないし、寝られないし」。その影響でスイングにもズレが生じ、今季は思うようなプレーができていなかった。「(特に)3戦目以降はシンプルにへたくそでした」ともどかしさを抱えながらのシーズン序盤だった。
それでも支えになったのがパッティングだった。今季からパッティングコーチをつけ「立ち方とかストロークを見直した」。この日のパット数は27。プレーオフを制した最後の1打も、「距離の割には簡単なラインではなかった」ピン左1mを沈めて決着をつけた。
この勝利を語る上で欠かせないのがオフの取り組みだ。3週間のタイ合宿では「半分以上はショートゲーム」の練習に費やし、休んだのは1日だけ。「周りに止められるくらいに(負荷を)掛けていました。あんだけ練習したんだから…」。積み上げたものが自信となり、プレーオフでも背中を押した。
若い世代が活躍する中で、27歳は中堅としての意地ものぞく。「やっぱり若手には負けたくない」。今季は複数回優勝が目標だ。「初めて追い上げで優勝できたので、そこは自信になった」。偶然のように見えた一打も、振り返れば積み重ねの延長線上にある。次戦も、その流れをつなげたい。(静岡県袋井市/安平賢太郎)