ブレーク中の吉澤柚月がまた上位戦線で存在感 好調維持の秘訣は“タイパ”だった
◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日(25日)◇利府GC(宮城)◇6600yd(パー72)◇晴れ時々曇り(観衆2682人)
いきなりのピンチが、逆に流れを引き寄せた。吉澤柚月は出だし1番、グリーン右手前バンカーからの第3打を寄せきれなかった。それでも、シビアな2mのフックラインを沈めてピンチをしのぐと、続く2番(パー5)でバーディを先行させた。「パーパットを決めきれて、流れが出てショットも良くなり始めた。ピンチをうまくしのげて、チャンスもしっかりとパッティングを決められたので、すごくいいラウンドだった」。ボギーなしの5バーディ「67」。首位と1打差の好位置で、3日間54ホールの短期決戦を滑り出した。
スコアメークの鍵になったのが、グリーンの速さへの対応だった。前週「住友生命レディス東海クラシック」はスティンプメーターで平均9.5フィートだったのに対し、この日は約12.33フィート。特に意識したのが距離感だった。開幕前の練習でティを刺し、ベースとなる距離感を徹底的に体に覚えこませた。「しっかりそれを信じて打つようにしている。めちゃくちゃ仕上がっていて速いグリーンだけど、ちゃんとそれに合わせられている」。15番(パー3)では5mのスライスラインを沈めるなど、グリーンの速度差をものともせずバーディを重ねた。
8月「北海道meijiカップ」でツアー初優勝を飾った。プレーオフの末に2位だった国内メジャー「ソニー日本女子プロ選手権」を含め、直近2試合は連続のトップ3。上位争いに加え、疲れが出てもおかしくない秋口にも好調をキープできているのは、食事と睡眠、そしてもう一つある。「いいと思ったら止める」メリハリをつけた練習だ。いわゆるZ世代が重視するといわれる『タイパ(タイムパフォーマンス)』を、自然に取り入れている。やみくもに練習するのではなく、自分の状態を見ながら、必要なところで切り上げる。だから、身体の疲労についても「大丈夫」と力強い。
シードを持たず、終盤戦の出場優先順位を争うリランキングに身を置いていた1年前は、出場さえかなわなかった大会だ。「まずは自分の納得できるゴルフをしっかりとやって、上位争いをできるように頑張る」。プロ3年目ではじめて乗り込んだ秋の宮城。ブレーク中の22歳が、またしても上位戦線で存在感を放っている。 (宮城県利府町/中村文香)