倉林紅が最終18番でこん身バーディ 恩師への思いを胸に“地元大会”初の予選突破
◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 第2日(26日)◇利府GC(宮城)◇6600yd(パー72)◇曇り(観衆3310人)
とんでもないプレッシャーだった。7月「資生堂・JALレディス」でツアー初勝利を飾った倉林紅は、最終18番で1.5mのフックラインをねじ込んだ。「もう、優勝パットよりもしびれるバーディパットでした」。通算イーブンパーに戻し、カットラインに滑り込んだ。アマ時代の17歳から4度目の出場。ご当地トーナメントで初めて予選通過を果たした。
宮城出身の21歳が今季開幕前から照準を合わせてきた大会だった。東北高卒業後2年間は、開催コースの利府GCで練習生として腕を磨いた。熟知したコースだからこそ、難しさも身に染みている。「トラウマじゃないんですけど、そういうのもあって…」。ツアー優勝も果たしたプロとして、戻ってきた“ホーム”で同じ失敗はできなかった。
17位からスタートした第2ラウンドは、試練の一日になった。この日イーブンで迎えた9番でティショットが左バンカーにつかまってダブルボギー。「やっぱりここはダメなのか…」。落ち込みかけた心を「いや、意地を見せないと!」と奮い立たせた。14、16番のボギー後はいずれもバウンスバック。そんな粘りを最終ホールのバーディにつなげた。4バーディ、4ボギー、1ダブルボギー「74」を「情緒もプレーと一緒で安定しませんでした」と苦笑いで振り返った。
頑張らなければいけない理由はほかにもある。東北高時代の恩師・川崎菊人さんが21日に亡くなった。倉林が3年だった頃、川崎さんは入退院を繰り返していたが「私たちに心配をかけないように」と、詳しい病状を伝えることはなかったという。初優勝後、母校を訪れて報告した時には「ここからが勝負だ」と激励され、「お前ならできる」と信じてくれた言葉が脳裏を離れない。「すごく自信になりました。今週は、先生のためにも頑張りたい」。利府GCで初めて戦う最終ラウンドも、キャップに喪章をつけてティオフする。(宮城県利府市/中村文香)