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地獄からの解放・・・ 金田、父と掴んだツアー初勝利!

「フジサンケイレディスクラシック」最終日、首位と5打差で最終日を迎えた金田久美子は、プロ転向後ベストタイとなる「66」をマーク。通算5アンダーで逆転優勝を果たし、苦しい日々を乗り越えての初タイトルに歓喜の涙を流した。

ジュニア時代から“天才少女”と謳われ、鳴り物入りでプロ転向した08年12月。期待と希望に満ちたルーキーイヤーを迎えるはずだった09年はしかし、苦痛と困難の始まりだった。出場30試合中、予選落ちを重ねること14回。これまで挫折を知らなかった分、その反動は大きかった。「2年前(09年)が一番辛くて、ゴルフ場についてコースを見るだけで涙が出た。地獄でした」。ジュニア時代に培った自信は消え、「このままゴルフをやっていていいのか」と自問自答の日々が続いた。

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かつてない傷心の中、ゴルフを続ける支えになったのは、「やっぱり、お父さんですね」という父・弘吉さんの存在があった。「子供の時から一緒に頑張ってくれた。(2年前は)一緒に落ち込んでいたりもしたけど、励まし、支えてくれた」と目を潤ませる。グリーンサイドでは、弘吉さんも「感動しました」と涙した。「ジュニアから成績を残してきたというプライドもあったろうし、本人も辛かったでしょうね。やっと報われた、という思いです。今年は最初から、そこそこ調子が出てきたとは思っていましたが、今日はまさか・・・ビックリです」と愛娘の晴れ姿に目を細めた。

去年までの自分と比較し、フィジカル面の向上を挙げる金田。シード権を逃した昨シーズン、トレーニングに多くの時間を費やせたことで「ドライバーは去年より10~20ヤード、アイアンは半クラブ飛んでいる。体力も少しはついたと思うし、体のバランスも良くなってきた」と明かす。そして、もっとも実感しているのがメンタル面の変化だ。「今年は自信を持ててできている。ゴルフは自信が全てだと、本当に感じた」。これまでの練習量に裏づけされた自信に加え、「自分に“上手い”と言い聞かせてるんです。周りの人にも、わざと“上手い”と言ってもらって、モチベーションを上げて今年はできています」と笑顔を弾かせる。

「1勝だけで満足せず、2勝、3勝と、上を見ながらやっていきたい」と今後の目標を掲げ、前を見据える。この勝利でさらに自信を深めた逸材が、秘められた潜在能力を一層開花させていくのか。今シーズンの楽しみが、また1つ増えたと言えるだろう。

2011年 フジサンケイレディスクラシック



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