<初日スコア>KKT杯バンテリンレディスオープン
2017年 KKT杯バンテリンレディスオープン
期間:04/14〜04/16 場所:熊本空港CC(熊本)
単独首位の上田桃子 連続ピンチも「わたしは絶対に下を向かない」
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 初日(14日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6452yd(パー72)
熊本出身の上田桃子が3バーディ、ボギーなし「69」でプレーして3アンダー首位スタートした。2015年6月「アース・モンダミンカップ」以来、2季ぶりのトップ発進。故郷を襲った地震からちょうど1年。「声援が大きかった。地元の力」と感謝した。
<< 下に続く >>
粘り強く戦うと決めていた。2アンダーで迎えた前半9番(パー5)の左ラフからの2打目。「ステイ(止まれ!)」と上田の声が響いた。目の前にある木の左側からフェードをかけて通した直後だった。
「想像以上に(フェードが)かかりすぎた」ボールは右ラフに落ちると、またも目の前に木が立ちはだかった。連続ピンチに「絶対に下を向かない。わたしより熊本の方々は絶対大変だから」。9Iで、今度は低いドローで、木の右を通してグリーン奥のカラーまで運んだ。冷静にパーをセーブ。大歓声を背に「このパーがすべてだった」と笑顔で振り返った。
昨年の開幕前夜に襲った最大震度7の揺れ。上田自身も大きな被害を受けた。「庭でゴルフもした」思い出の実家は半壊して、建て直しを余儀なくされた。今年11月に完成予定で、いまは1LDKのアパートに家族5人と犬2匹。「自分の部屋もない」と、今週はホテルから通うが、練習日は実家に泊まった。「家族の温かさを感じますね」と頬を緩ませた。
昨季は「絶対にわたしが活躍して熊本を元気にする」と力を入れすぎた。賞金ランク35位と苦戦して「気持ちに技術が追いついていなかった」と分析する。ただ、今大会では期待されていることを十分感じている。「地元のために頑張りたいって気持ちはある。そういう気持ちは力になるはずだから」。落ち着いた様子で残り2日間を見据えている。(熊本県菊陽町/林洋平)