22人の新人女子プロ誕生 勝みなみ、新垣比菜が一発合格
勝みなみが一発合格「世界一、愛されるプロに」
◇女子最終プロテスト 最終日(28日)◇小杉カントリークラブ(富山県)◇6397yd(パー72)
笑顔のち涙―。女子ゴルフのアマチュア旋風をけん引してきた勝みなみ(19)が、プロテスト一発合格を果たした。通算5アンダーの9位でトップ通過こそ逃したが、“黄金世代”の代表格は「世界一、愛されるプロになる」と力を込めた。
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2014年の国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディスオープン」を史上最年少(15歳293日)で制した。このときプロ転向する選択肢もあったが、「学業とゴルフの両立が難しい」として見送った。以降、レギュラーツアー57試合に出場。史上初のアマ2勝目はかなわなかったが、実力とプロ顔負けのトーク力で周囲を魅了してきた。その間、2014年「日本ジュニア選手権」、15年「日本女子アマチュア選手権」をダブル制覇した。
ツアーでの優勝争いとは「緊張感が違った」という最終プロテストの72ホール。この日は、第2打をバンカー目玉とした15番、第2打をOBゾーン付近に打ち込んだ16番で連続ボギーを喫した。17番で8mをねじ込んでバーディを奪い返し、最終18番で第2打がグリーンをとらえたときに「ホッとした」と解放された。
「この緊張感を経験して、精神的に強くなれた。あの(優勝した)ときの自分より成長している」と自負した。「(3年前の)選択は間違っていなかった」と改めて思ったという。
「世界一、みんなから愛されるプロになる」。きょう、プロとしての目標を宣言した。「なりたい」ではなく「なる」。みんなから愛されるプロ。それは勝にとって、今年6月に引退を表明した宮里藍だ。「目標とする人。藍さんの引退を聞いて、次は私がならないといけないと思って。藍さんにはなれないけど、少しでも私らしく、近づきたい…」。涙で言葉を詰まらせた。
「そのために何が必要か、足りない部分を感じられた4日間だった」とも吐露した。「いま出し切れるすべてでプレーすること。勝つことも、もちろん目標です」。アマチュアの星“みなみちゃん”から、プロゴルファー勝みなみへ。新たな舞台が始まる。(富山県射水市/糸井順子)