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“引退のススメ”に闘志 「1%」をかなえた大山志保の気持ち

◇国内女子◇ヨネックスレディスゴルフトーナメント 最終日(3日)◇ヨネックスCC(新潟)◇6422yd(パー72)

4打差をつけて上がった最終グリーン。観衆のスタンディングオベーションで迎えられた大山志保の目は、すでに濡れていた。「感動して涙が出た。今年はケガが続いていたので、うれしさ、悔しさ、いろいろな感情がよぎった」。頸椎椎間板ヘルニアによる離脱から、8カ月ぶりにツアー復帰して4試合目。通算10アンダーで遂げた通算18勝目は、忘れられない2シーズンぶりの復活優勝となった。

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これまでも幾度の故障を乗り越えて優勝を重ねてきたが、今回の復帰までの道のりは、過去にないほど険しいものだった。首と背中の痛みにより昨年9月からツアーを離れた。複数の病院に通っても痛みは引かず、ゴルフができない日々に「涙を流すことは何度もあった」という。2月上旬にようやくクラブを握ったが、1カ月も待たずに痛みが再発。周囲からは引退の言葉もささやかれたという。

かつてない逆境が、大山の闘志に火をつけた。「こんなに悪い状況のまま引退したくない。絶対に復活する」。家族やファン、昨年までエースキャディを務めていたデイナ・デリュー氏らの励ましを受けながらリハビリを重ね、5月上旬に復帰。いまも完治には至っておらず、フルスイングはできない状況だが、故障との戦いで強さを増した“気持ち”だけを支えにした。大山が今週、何回も繰り返してきた言葉だ。

そんな気迫がプレーに乗り移った18ホールだった。出だしの1番で5mのバーディパットを決めてガッツポーズを見せると、2mのパーパットを沈めた2番、さらに3番(パー3)からの3連続バーディと、5ホール連続でガッツポーズを繰り出した。大山が右こぶしを握るたびに後続との差は開き、観客のボルテージは上がっていった。

「ことし優勝できたらいいなって1%だけ願っていたけれど、(復帰)4戦目でできるなんて本当に思っていなかった。1%の思いがかなって、夢のようです」

感涙した18番グリーン上でも、背中には痛みが走っていた。優勝の余韻にひたる間もなく、あす月曜日は病院に通う予定だ。それでも、大山は前を向き続ける。「50代になっても戦えるような選手になりたい。目標に向かって、一歩一歩前進していきたいですね」。引退なんて冗談じゃない。41歳の戦いは、これからも続く。(新潟県長岡市/塚田達也)

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