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黄金世代だから「ここまでできた」 大里桃子の初優勝まで

◇国内女子◇CATレディース 最終日(19日)◇大箱根CC(神奈川)◇6704yd(パー73)

20歳の大里桃子が通算10アンダーでツアー初優勝を飾った。最終日を3打差首位から出て「73」とし逃げ切った。今年7月に2度目のプロテストで合格したルーキーは、勝みなみ新垣比菜らと同じ“黄金世代”のひとり。常に見上げてきた同級生たちに肩を並べた。

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終盤のピンチにも雑草魂は生きた。ボギー直後の後半13番(パー5)は2オンしながら1mのバーディパットを外しパー。同じ最終組で3打差に迫る森田遥にプレッシャーを感じたが、「わたしはまだ1年目。負けても仕方ない」と吹っ切った。続く14番では「気合の1打」、3.5mのパーパットを沈め拳を握った。最後は2打差で競り勝った。

前を走る同級生たちがいた。故郷の熊本県で行われた2014年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でボランティアスタッフを務め、当時15歳の勝みなみの史上最年少優勝を会場で見た。ジュニア時代の大会、常に10打差以上つけられた同級生の快挙は、「みなみはいつも雲の上の存在だった。でも、本当に悔しかった」。

自他ともに認める負けず嫌いは、「みなみくらいになれるとプロで活躍できるんだ」と刺激に変えた。コーチを務める父・充さんと「いまは負けていても、段々でいい。プロになっていつか追いつけるように」と決めた。昨年のプロテストは不合格。結果の出ない中、ツアーに出場したとき、賞金女王・鈴木愛の練習をじっと見つめた。「あれだけの練習量。それをやらないと」。いつも挫折を力にしてきた。

日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の会員に入会してから23日での優勝は史上3番目のスピード記録。プロテスト合格からツアー初優勝は最短記録になる。来季までの出場権も確保したが、「実感がない。わたしはまだ下手くそ。もっと練習する」と貪欲だ。

勝も成し遂げていないプロ転向後のツアー優勝は、同世代の中では4月の新垣以来。前日2位につけながら過少申告により失格になった新垣の両親は応援に駆け付け「比菜の分まで頑張れ」とエールを送った。輝いて見えた同級生の存在。大里は「いなかったら、ここまで出来ていない」と断言した。(神奈川県箱根町/林洋平)

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